親が生きているときから実家の不要品を減らし、スッキリさせようとすると、自分の基準で必要なもの・不要なものに分けて、処分を進めてしまうことがある。果たして、そこに親の気持ちは反映されているだろうか。当然のことながら実家の住人は親であり、そこに置いてあるものも全て親のものだ。「自分が片づけたいから」ではなく、「親のために片づけたい」という発想を欠いてはならない。

「もし万一、実家が地震・災害に遭ったとき、ものが落下すると危険ですし、床にものが散乱していると転倒の恐れもあります。その気持ちを伝えるためには、『お母さんのことが心配だから』『これは大切なものなのね。それなら取っておきましょう』など、主語を親にするだけで、親は幸せを感じるはず。そのコミュニケーションが親の心を開き、引き継ぎをスムーズに進めやすくなるのです」(内藤氏)

認知症になってから、亡くなってからでは遅い
少しでも違和感を感じたら片づけを始めよう

 では、親が生きている間に片づけを始めるには、どのようなタイミング・手順で進めるとよいのだろうか。親に認知症の症状が現れたり、病の兆候が見られ始めたりしたときでは、「時すでに遅し」の可能性もある。「少しでも違和感を覚えたら片づけを始めるべきだ」というのは、様々な本でも書かれている原則だ。

「実家の片づけを始めるのに、早すぎる時期はありません。主体的に片づけを行う自分自身も、年を取ってからでは大変です。また、親が亡くなってから片づけを行うと、子ども世代が費用を丸抱えするのが一般的で、経済面・心身面にも負担が大きくなります。実家の片づけをして本当に得をするのは、精神的にも経済的にも子ども側なのです」

 こう話すのは、ダイヤモンド・オンラインの人気連載『プロが教える実家の片づけ』を手がける「実家片づけ整理協会」代表理事の渡部亜矢氏。『プロが教える 実家の片づけ』などの著書を持つ。