経営 × オフィス

人材不足・採用問題解決の切り札はオフィス?
より良い人材を獲得するためのリクルーティング・ブランディング術

大高志帆
【第4回】 2015年2月26日
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社内の7割以上が「働き甲斐を感じる」と答えた
「ハワイ」オフィス

 次に挙げるのは、ブランディング戦略、広告コミュニケーションのプランニング、TVCMやWEBムービー、グラフィックデザイン、デジタルコンテンツ、クリエイターマネジメント、シェアオフィス事業……と、クリエイティブのほぼ全領域をカバーする広告制作会社northshore(ノースショア)だ。社名からもわかるように、オフィスのテーマは「ハワイ」。代表取締役社長兼CEOの石井龍さんは、「クリエイターのための楽園」をコンセプトにオフィスづくりに取り組む。

ヤシの木と砂浜が出迎えてくれるnorthshoreのエントランス

 とはいえ、単に楽園のイメージからオフィス作りのコンセプトが生まれたわけではない。そこには自社のビジネスの特徴を見極め、そこで働く社員たちがパフォーマンスを上げ、快適に働き続けるにはどうすればいいか、という経営的視点から、「ハワイ」というコンセプトが生まれている。

 「制作会社でCMディレクターをしていたサラリーマン時代、家族旅行で訪れたハワイでオーシャンビューの気持ちのいい部屋に泊まったんです。すると、海を眺めているだけでアイデアがポンポン浮かんできて、しかも帰国してから提出してみると、どの企画も面白いように当たりました。その経験から『クリエイティブなものづくりには良い環境が必要だ』と強く感じたんです」

 「クリエイターのための楽園=最高の環境」を一番に意識し、昨年8月の移転をきっかけに2フロアに分かれていたオフィスをワンフロアに統合。それによりスタッフ間のコミュニケーションがとりやすくなり、一体感が生まれたという。もちろん、コンセプトを表現する内装にもこだわりがある。

ラウンジスペースは、打ち合わせはもちろん、ノマドクリエイターのためのワーキングスペースとしても機能している
「エグゼクティブスイート」

 「クリエイターに大切な『集中力』には、そもそも限界があります。各自が意識的に気分転換できるよう、まさに『ハワイ』なインテリアで統一した広めのフリースペースをとりました。中心にはヤシの木を置き、天井にはシーリングファン、壁には大波のアート。世界最高の波を求めて最高のサーファーが集まるノースショアのように、northshoreにも最高のクリエイターが集まってほしいと思い、スタッフのことは『Surfer』、本社のことは『Beach』と呼んでいます。エントランスを見たお客様に『カフェかと思った』と言われることもありますが、移転後社内でアンケートを取ったところ、7割以上のスタッフから『働き甲斐を感じている』という回答が集まりました」(石井さん)

 クリエイティブな仕事である以上、ハードなスケジュールが組まれることもあるというが、「クリエイターのための楽園」を体感できる環境で働いていると、自分がいかに会社から大切にされているかがわかるのだろう。その回答を裏付けるように、northshoreの離職率は非常に低く、驚異の4%台を維持しているという。さらに、新規スタッフの応募も2~3割は増え続け、社全体での受注も4~5割増だという。

 「職場環境や社名などでnorthshoreのブランディングを明確に打ち出したことが功を奏した」と石井さんは語る。求職者から求められる職場の環境づくりにおいて、会社を貫くビジョンやストーリーがいかに重要かがわかる好例だ。

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あなたが知らない「オフィス」という経営課題

どうして業績がパッとしないのか――。そんな悩みを持つ経営者は多いだろう。それはもしかしたら、社員が働く「オフィス」に無頓着なせいかもしれない。オフィスのあり方は、社員のモチベーションと密接に関わっている。足もとでビジネス環境・働き方の変化が起こっているなか、これからのビジネスパーソンは、新しい価値の創造や質の高い成果を、ますます厳しく求められるようになっていく。それに伴い、オフィスは単に「作業をこなす」のではなく、「仕事を創造する」場となっていくべきだ。オフィスを変え、社員の能率アップを図るために、経営者や総務・人事責任者が心得るべきトレンドやポイントを、一緒に考えて行こう。

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