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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

日本人だけが知らない和菓子の潜在力

このまま国内に留まっているだけでいいのか

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第246回】 2015年2月26日
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 中国ではようやく春節(旧正月)が終わり、25日から通常の日々を取り戻せると思う。日中間の輸送を停止していた物流会社が業務再開を宣言したことに象徴されるように、未年の動きが正式に始まったと理解していいようだ。

中国人も和菓子好き? Photo:sasaken - Fotolia.com

 中国との関連業務は一切できない春節期間を利用して、私は石川県内を駆け足で回った。同県のスイーツをもっと中国に発信できたらということが、今回のテーマの一つとなっている。

 お酒があまり飲めない私は実は大の甘党だ。和菓子が好きなだけに数年前からスイーツ文化が発達している石川県に大きな興味をもっている。しかし、中年に入ってから自らの体重の膨張ぶりを見て、温めてきたこのテーマ関連の取材を敢えて自粛してきた。これまで石川県を訪問しても、甘いものはできるだけ見ない、聞かない、買わないという「3つのしない」主義を貫いてきた。

 ところが最近、中国で絶大な人気を誇る北海道の銘菓「白い恋人」の仕入れを何度か打診され、「ポテト3兄弟」や「生キャラメル」などの銘菓も飛ぶように売れていることを体感し、つい判官贔屓で石川県のスイーツ取材に踏み切ることにした。

「菓子を食べたいなら
石川に来ればいい」

 いくつかの製菓会社を訪問した。伝統にこだわる和風、和洋折衷を模索中の新和風、和の伝統を地に生かした洋風とタイプは分かれるが、どの企業も最高の美味しさを守り抜こう、または生み出そうと必死になっている。その匠の精神にただただ脱帽するばかりだった。

 しかし、気になったこともある。規模が小さいという共通の問題を抱えているのだ。しかも、私が訪問した範囲内で言えば、これらの銘菓会社の経営者の誰もがそれを問題にしていない。「うちの菓子をたべたいなら、石川に来てくれればいい」といった内容のセリフはどこでも聞いた。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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