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「脳」がわかれば「なぜ?」がわかる!
【第23回】 2009年1月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
山元大輔 [監修] [東北大学大学院生命科学研究科教授/理学部生物学科教授]

なかなかやめられない「酒」と「タバコ」──脳への影響は?
──お酒とタバコは脳から嫌われて当然?

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人間は、脳あってこその存在。人の行動、思考、感情、性格にみられる違いの数々は、すべて脳が決めているのです。「心の個性」それはすなわち「脳の個性」。私たちが日常で何気なく行なっていることはもちろん、「なぜだろう?」と思っている行動の中にも「脳」が大きく絡んでいることがあります。「脳」を知ることは、あなたの中にある「なぜ?」を知ることにもなるのです。この連載では、脳のトリビアともいえる意外な脳の姿を紹介していきます。

あきらかに
脳には「マイナス」

 タバコがガンの一因だという説は有力ですが、タバコのせいで頭が悪くなるということはあるのでしょうか。また、お酒は脳内の活動を鈍化させるのでしょうか。

 そもそもタバコがやめられないのは、ニコチンに習慣性があるから。このニコチン、実は薬理学では古くから知られる脳作用薬なのです。

 ニコチンはアセチルコリン受容体にはまり込んで、エセ(似非)アセチルコリンとして働き、神経を興奮させます。ということは、脳が本来シグナルを送るために出すアセチルコリンの働きを妨害する可能性を考えなければなりません。そのぶん、タバコは頭を悪くする、といえるでしょう。

 しかし、タバコをいつも吸っていると、脳もそれに対する防御を試みるようになります。ニコチンが過剰になるぶん、アセチルコリン受容体の感度を下げているのです。そのため、タバコを吸っている人が禁煙すると、アセチルコリンに対する反応が弱くなりすぎ、しばらくは本来の自分より「バカ」な状態になってしまいます。もちろん、しばらくすれば本当の自分が返ってくるのですが。

 また、お酒も脳にはよくありません。大量のアルコールは、まさに直接脳細胞を殺してしまうとすでに実証されているのです。

ある種の薬と
お酒を一緒に飲むと…

 たとえば、強い精神的な不安に悩まされ、その不安を抑える薬品を服用しているとき、酒やタバコは脳にいっそうよくない影響をもたらします。

 そもそも人が不安に悩まされるのは、脳の警戒システムが異常に興奮するからだとされています。だから不安を解消するには、まず異常な興奮を抑えなければなりません。異常な興奮を抑えてくれるのが、ジアゼパムやトリアゾラムといったベンゾジアピン誘導体です。

 このベンゾジアピン誘導体は、抑制のキーマン、神経伝達物質ギャバの働きを強めることで脳の異常な興奮を抑え、不安や緊張や焦燥感を軽減する機能を持っています。また副作用も少ないとされ、この種の病気には有効だと高い評価を受けています。

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山元大輔 [監修] [東北大学大学院生命科学研究科教授/理学部生物学科教授]

1954年東京都生まれ。東京農工大学農学部卒業後、同大学院農学研究科修士課程終了。理学博士(北海道大学)。ノースウエスタン大学医学部博士研究員、三菱化学生命科学研究所室長を経て、1999年から早稲田大学人間科学部教授。同大学理工学部教授を経て、現在、東北大学大学院生命科学研究科教授。同大学理学部生物学科教授。


「脳」がわかれば「なぜ?」がわかる!

人間は脳あってこその存在。行動、感情、性格の数々はすべて脳が決めています。「脳」を知ることは、あなたの中の「なぜ?」を知ること。当連載では、脳のトリビアともいえる、意外な脳の姿を紹介していきます。

「「脳」がわかれば「なぜ?」がわかる!」

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