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第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

上司のトラブルに首を突っ込み、自滅・・・。
中堅社員が10年のキャリアを棒に振った瞬間

ベテラン社員にキレたことで、人事評価を下げられた本城氏のケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第13回】 2009年3月9日
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 60歳以上のベテラン社員の扱いは、そう簡単ではない。それがうまくできている職場もあれば、そうでもないところもある。

 今回は、職場をかき乱すベテラン社員と、それを管理するべき部長との間で起きたトラブルに首を突っ込んだ結果、最後は部署から追い出されてしまった30代の男性社員のケースを紹介する。

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■今回の主人公
本城 繁紀 仮名(35歳 男性)
勤務先: 中堅の医療福祉機器メーカー「アポロ社」(従業員数250人)。1980年代後半から、先代の社長のもとで躍進を続けた。90年代、多くの企業が不振の中も順調に業績を伸ばした。だがここ数年は、激しい競争のため、勢いを失いつつある。
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(※この記事は、取材した情報をプライバシー保護の観点から、一部デフォルメしています)

理不尽な、お詫び

 「……本当に……すいませんでした」

 「本城君の発言は、杉田さんに対して失礼だろう?」

 「前澤部長のそのお言葉で、私は救われます。彼はまだ若い。こうして、十分に反省をしているんですから……」

 「杉田さんが、そのように大人のご判断をしていただけるから、私もこの部署を預かる身として助かります。本城君、もう一度、杉田さんにお詫びしなさい!」

 「……」

 「なんだ! その表情は! これ以上、杉田さんに失礼な行動を取るなよ」

 「部長、もうよろしいんじゃないですか」

 沈黙が続いたあと、部長の前澤(48歳)とベテラン社員の杉田(61歳)は、会議室を出て行った。部屋には、本城だけが残った。じっと座っていられないほど、腹が立ってきた。

 「俺は誰のために、あのジジイに厳しいことを言ったと思ってるんだ! あの部長が頼りないからじゃないか!」

 立ち上がり、窓のほうに歩くと、新幹線が走っているのが見えた。12年前に新卒の採用試験を受けたとき、試験会場がこの会議室だった。あのときにも、新幹線が走っていた。杉田は入社してからいまに至るまで、印象に残っていることを思い起こした。

ベテラン社員の“ホラ話”

 本城は、入社後すぐに「営業部」に配属となり、10年間籍をおいた。成績はよかった。部員50人ほどのうち、常に10番以内には入っていた。そして11年目にしてようやく、念願の「企画部」への異動がかなう。しかし、それから1年後、本城の身に“災難”が起こる。

 もともとこの部署には、部長(課長兼務)の前澤のもとに、6人の部員がいた。本城は、年齢からすると、部長に次いで「ナンバー2」の立場にあった。だが、半年後に杉田が入社し、配属されたことで、3番手となった。これが、“災難”のきっかけだった。

 杉田は、この職場においては、“まぬかれざる人”だった。定年まで在籍していた会社は、東証1部上場企業。年間売上は1500億円に迫る、本格的な大企業である。この会社の商品開発部門で、30年以上にわたり働いてきた。最後は部長代理だった。部下は、本人いわく「50人はいた」という。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

会社から冷遇され、気がつくと「負け組」となってしまった人たちを毎回取材。彼らの実体験を振り返ることで、企業の冷酷さだけでなく、自己防衛できなかった敗因を分析。第2次リストラ時代で生き残る術を探る。

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