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エコカー大戦争!

UberやLyftの“シェアライド”は
日本で普及するか(下)

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第200回】 2015年3月17日
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>>(上)より続く

シェアライドが急激に普及した3つの理由

スマホ、クラウドサービスの高性能化がシェアライドの爆発的普及に大きく影響した。画像は日本版Uberアプリのスクリーンショット

1.スマホ+クラウドの高性能化

 2007年にiPhone、2008年にアンドロイドフォンが登場。そして2010年からクラウドビジネスが急拡大。スマホ及びクラウドの情報処理能力が急激に向上し、サービスプロバイダーの初期投下とランニングコストが急激に低減した。

 ユーザーはアプリをダウンロード。アプリを開き、マップ上にシェアライドの希望場所を指定すれば、クルマがやってくる。支払いはUberの場合、事前に登録したクレジットカードで行なうなど、ユーザーの利便性が劇的に向上した。

2.クルマのコモディティ化

 本連載195回「モーターショーとカーディーラーが消える日」で指摘した通り、クルマという商品の社会での立ち位置が近年、急激に変わってきている。

 具体的に言えば、自動車市場はユーザーの違いによって富裕層市場、中産階級層市場、そして低所得者層市場に大別できる。ベンツ・BMW・ベントレー・フェラーリなどを買い続ける富裕層、クルマへの憧れがまだ残っている低所得者層、そしてその間の中産階級層では、“クルマのコモディティ(道具)化”が進んでいる。

 UberやLyftのドライバーは、彼ら自らが所有するクルマをコモディティとして見ている。愛車のなかに見ず知らずの他人が土足でズカズカ上がり込んでも、気にならない。それより「効率的にコモディティを使って儲かれば良い」という願望が優先する。UberとLyftのドライバーとユーザーを年代で見ると、20代後半から40歳前後が多い。これはまさに、米マーケティング用語の「ジェネレーションY(1975~1989年生まれ)」に相当する。

3.SNSによる相互信頼

 ユーザー、ドライバー、そして運営母体がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)というループのなか、お互いに監視し合うことで「自分は皆に守られている」という発想を持つ。

 これにより、走行中の車内で金銭や会話上のトラブル、車両の不良整備によるトラブル、そして交通事故等、種々のトラブルに対する“警戒感”が薄れている。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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