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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

IT業界出身で福島の高校副校長に転身した異色若手官僚の情熱

鈴木寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]
【第27回】 2015年4月2日
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“すずかんゼミ”20周年に
教え子が福島被災地で新たな挑戦

南郷氏が副校長に就任したふたば未来学園への注目度は高い。写真は同校の校名が決まったことを発表する福島県の佐藤雄平知事(2014年8月当時)

 こんにちは鈴木寛です。

 大河ドラマ「花燃ゆ」は、松下村塾に後の伊藤博文ら新顔も加わって軌道に乗ってきましたが、吉田松陰を「社会イノベーター養成者」のお手本と仰ぐ身としては、松陰と弟子たちが学び舎で日本の将来を熱く語り合う様子を毎週見ながら、“すずかんゼミ”で歴代の教え子たちと熟議した日々に重ねあわせています。

 今年は、山口県勤務から戻った私が、通産省在職中、初めて若者ゼミを立ち上げてから20周年に当たります。さる2月7日には、歴代の教え子が再結集し、現役のゼミ生たちと一緒に20周年イベントを都内で開催しました。一般的にそうした行事は、同窓会になって旧交を温めるパターンですが、そこは、思考停止の前例踏襲を強く戒められてきた教え子たちが開催していますので、「熟議カケアイ」「異世代対談」「プロジェクト・ベースド・ラーニング」といった、学びを振り返る企画を次々に仕掛ける勉強会となりました。

 すずかん若者ゼミで初代塾長を務めたヤフーCOOの川邉健太郎さんをはじめ、多くの教え子が忙しい中に駆けつけて、私も立派になったOB・OGの姿を見るにつけ、「出藍の誉れ」を実感することができました。

 さて、このたび、すずかんゼミから、日本を先導するソーシャルプロデューサーが新たに誕生しました。私が通産省を辞した後、慶應SFC助教授のときのゼミ生で、文科省に勤務する南郷市兵さんです。4月から福島県広野町に開校する県立ふたば未来学園高校の副校長として文科省から出向することになり、朝日新聞の「ひと」や読売新聞の「顔」で相次いで取り上げられ、小泉進次郎・復興政務官のFacebookページでもご紹介いただきました。

 文科省の歴史の中でも、現役官僚が高校の管理職に就くのは初めてのことです。異例の人事で注目されているだけではなく、小泉政務官が南郷さんについて「数え切れないほど東北に足を運び、誰よりも多く被災地の子どもたちの声を受けとめてきた」と評価されたように、まさに被災地の教育を復興するべく先頭に立ってきた功績があります。

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鈴木 寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]

すずき・かん/元文部科学副大臣、参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から文部科学大臣補佐官として大学入試改革などを担当している。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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