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送金業務の規制緩和を睨み、
異業種の陣取り合戦が本格化

【第32回】 2009年4月15日
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 「世界各国の日本語を用いる利用者の便宜のために提供するのであり、日本在住者の勧誘を行なうものではありません」

 世界有数のインターネット決済会社である米国の「ペイパル」の日本語サイトには、なんとも奇妙なコメントが記載されている。

 日本語なのに日本は対象じゃない? 関係者が「日本で一般事業者による送金業務が禁止されているための苦肉の策なんです」と裏事情を説明する。ただ、このコメントは、もうすぐ削除される可能性が高い。というのも、これまで銀行に限定されていた送金業務を、他業種に解禁することを盛り込んだ法案が閣議決定され、今通常国会での成立が見込まれているのだ。

 規制緩和の背景には、ITの発達で、銀行以外の業者が簡単に送金サービスを提供できる下地が整ってきたことがある。ペイパルなどの送金業者が営業している米国では、日本よりも割安で便利な送金サービスが普及。日本でも、手数料の低下や利用時間の拡大などが期待できる。ただ消費者保護の観点から、1件当たりの送金額は50万~100万円の上限が設定される見込みだ。

 その日本市場を狙うのが、全世界に1億7500万人もの登録ユーザーを有するペイパルだ。2007年に日本語サイトを開設すると、解禁に向け密かに金融庁に接触を図ってきた。

 ペイパルジャパンのケヴィン・ユー代表は「解禁されれば、すぐにでも参入したい」と攻勢をかける構えだ。このほか、クレジットカード大手のVISAカードが参入を検討中だ。

 国内勢もただ手をこまねいているわけではない。金融庁によると日本企業にも送金業務に興味を示している業者があり、大手ネット企業をはじめ、流通業者などの参入がうわさされている。新市場の勢力図はスタートダッシュで大勢が決する。新規参入を狙う異業種のつばぜり合いが本格化するのはこれからだ。

(『週刊ダイヤモンド』編集部  山口圭介)

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