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ビジネスモデルの破壊者たち
【第340回】 2015年4月8日
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瀧口範子 [ジャーナリスト]

「モノ」でなく「コト」をネットに載せる
アマゾンがすすめるIoTの新たな実験

家の中のあちこちに
「ボタン」を貼り付ける

「アマゾン・ダッシュボタン」のWebサイトより。この画像を見ると、家の中のあちこちに自動販売機が現れたかのようだ

 アマゾンがIoTで驚くべき手に出た。ボタンを押すだけで、商品の注文ができるというしくみだ。

 名付けて「アマゾン・ダッシュボタン」。幅数センチの小さなボタンで、これを家の中のいろいろなところに貼り付けておく。

 たとえば、洗濯機のパネルに。洗濯をしていたら洗剤が残り少なくなっているのがわかった。すかさず、目の前にあるダッシュボタンをプッシュ。これで一両日中にアマゾンから洗剤が届くのだ。

 普通ならば、洗剤がなくなったことを覚えておき、洗濯や他の家事を済ませたところでパソコンやスマートフォンでアマゾンのサイトを呼び出し、商品を検索して注文という手間になる。いや、それは覚えていた場合のことで、たいていは家事をやっている間にうっかり忘れてしまったりすることもある。今度洗濯をしようと思ったら、洗剤が空だ。

 ところが、ダッシュボタンがあればそんな心配はない。今すぐに、面倒な手順を飛ばして注文が完了するのである。もし間違って注文してしまった場合は、すぐ後でスマートフォンに入る注文確認画面から削除する。

 ダッシュボタンは、その他にも台所の食品棚、化粧台の棚に貼付けておき、パスタがなくなった、化粧水が切れそうだといった時に使えるようになっている。

 ボタンの設置は簡単で、取り外し可能な接着剤がついているのでそれで貼付けたり、クリップで留めたりする。スマートフォンからどのダッシュボタンを起動させたいかを選び、1回のプッシュで注文する個数を指定して、家のWifiに接続するだけだ。

 アマゾンは、ダッシュボタンのために複数の日用品メーカーと提携を組んでいる。洗剤、カミソリの歯、ソフトドリンク、コーヒー粉、トイレット・ペーパー、おしめ、ゴミ袋、化粧品などが、そうした商品に含まれている。ボタンには各社のロゴが付いていてわかりやすくなっている。

 このダッシュボタンはまだテスト中で、現在はプライム会員が申請すると、招待制で利用できる段階。申請が認められると、ダッシュボタンのセットが送付されてくるようだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。

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