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企業は情報システムをいつまでに
マイナンバーに対応させなければいけないか?

――日本オラクルの下道高志氏に聞く

河合起季,ダイヤモンドIT&ビジネス
【第85回】 2015年4月16日
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マイナンバー制度は
税金の公平な徴収のために作られた

内閣官房の「マイナンバー情報サイト」(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/)

 「社会保障・税番号制度(通称:マイナンバー制度)」に対する民間企業の対応の遅れが懸念されている。マイナンバー制度とは、国民(および日本に半年以上滞在する外国人)1人に対して12ケタの個人番号(マイナンバー)を割り当てるというもの。

 その番号を基に社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関(中央行政機関や全国自治体)に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用される。今年10月から個人番号の通知が始まり、来年1月から実運用がスタートする。

 しかし、4月初旬現在、大手企業でもまだ約半数はどうやって対応するのか決まっていない状況という。なかには「行政手続きの簡素化や国民の利便性向上のために、本当にマイナンバーは必要なのか」「個人番号の管理に不備があった場合、刑罰が科せられる。先行して取り組むのは得策ではない」といった声もある。駆け足の導入が迫られるなか、リスクとしてとらえる企業も少なくないようだ。

 この点について、マイナンバー制度のスペシャリスト、日本オラクルの下道高志氏(製品戦略統括本部プロダクトマーケティング本部・工学博士)は、そもそもの導入目的に誤解があると指摘する。

 「マイナンバー制度は、以前検討されていた、医療受給者証や国民健康保険証、年金手帳などを統合した『社会保障カード』や、さまざま行政機関や民間との間でのデータ連携のために用いる『国民ID』を単に踏襲したものではありません。もともとは公平・公正な税徴収を行い確実な社会保障を行うために立案されたものです。

日本オラクルの下道高志氏(製品戦略統括本部プロダクトマーケティング本部・工学博士)Photo:DIAMOND IT & Business

 マイナンバー制度は正確には『社会保障・税番号制度』といいますが、当初は『税番号・社会保障制度』と税と社会保障の順番が逆でした。たかが名称と思われるかもしれませんが、そこには非常に重要な意味があります。『将来の社会保障費をまかなうために、国民一人ひとりの所得を確実につかむ』というのが、マイナンバー制度の本来の目的の1つだからです。つまり、年間何千億円にも上ると噂される脱税や医療費の不正受給などを防ぐことも大きな目的なのです」

 マイナンバーによって、国民一人ひとりの所得と、課すべき税、国が払うべき社会保障給付金が正確に把握・算定できるようになれば、間違いや漏れのない税徴収と社会保障給付が可能になる。つまり、それは公平・公正な社会の実現のためということ。この点を理解して、民間企業もマイナンバー制度に関わるシステムの改修や構築に取り組まなければならない。

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