IoTがビジネスを変える!|ダイヤモンド・オンライン
校條浩 IoT産業革命
【第2回】 2015年3月18日
著者・コラム紹介 バックナンバー
校條 浩 [ネットサービス・ベンチャーズ マネージング・パートナー]

IoT時代には、ソフトウェア発想で
日本のものづくりの力を活かせ

 IoT(“Internet of Things”:「モノのインターネット」)という言葉がメディアをよく賑わすようになった。IoTのなかでも今一番ホットなのはウェアラブルだろう。

 実は、ウェアラブルですでに空前の大ヒットとなったデバイスがある。スマートフォンだ。スマートフォンはどこに行くにもポケットや手のひらにあり、体の一部となった。ユーザーのコミュニケーション情報、位置情報、アプリケーションでの行動などが個々人のコンテクスト情報となり、さらに生活を豊かにするサービスを提供する好循環を生んだ。生活の一部となったスマートフォンからさらに身体上の場所を広げよう、というのがこれからのウェアラブルだ。

 ウェアラブルには2つの流れがある。1つは、個々人の情報を運動や健康状態などの身体情報にまで広げ、特定機能での価値を提供しようするもの(垂直型)。もう1つは、スマートフォンを拡張して新たな利便性を上げるもの(水平型)。

最初にブレークしたウェアラブルは
「活量計」の分野

 ウェアラブルが最初にブレークしたのは前者の垂直型のひとつである「活量計」だった。その代表選手は、2007年にサンフランシスコで創業されたFitbit(フィットビット社)だ。

 時計のように手首に装着したベルトの中にセンサーや通信機が埋め込まれており、腕や足の動きで運動量を測定。そのデータはスマートフォン経由でクラウドに送られ、ユーザーの運動量を蓄積する。あとはスマートフォンのアプリで分析結果を分かりやすくダッシュボードに表示してくれる。自分の体重や食事の情報を入れれば、フィットネス状態が一目瞭然となる。

 さらに、クラウドサービス側で、個人の目標を設定して運動を動機づけるキャンペーンや他のユーザーとゲーム感覚で競うイベントなどが催され、クラウドならではのサービスが特徴となっている。

 また、このフィットビットのアプリへのAPI(アプリをつなぐインターフェース情報)は公開されているので、フィットビットを使った様々なアプリが第三者から提供されている。今では、JawboneやMisfitなど90社ほどの企業がひしめくレッドオーシャン分野だが、フィットビットは世界の活量計市場の50%以上を占めると言われており、今年の上場が噂されている。

 一方、日本には昔から「歩数計」があり、いろいろなメーカーが性能を競っていたのに、最近のウェアラブル分野で日本メーカーは見る影もない。

SPECIAL TOPICS

 

校條 浩(めんじょう・ひろし)[ネットサービス・ベンチャーズ マネージング・パートナー]

東京大学理学部卒、同修士課程修了。マサチューセッツ工科大学(MIT)工学修士。小西六写真工業(現コニカミノルタ)にて写真フィルムの開発に従事。その後MITマイクロシステムズ研究所、ボストン・コンサルティング・グループを経て、1991年にシリコンバレーに渡る。1994年よりマッケンナ・グループのパートナーに就任。2002年に「ネットサービス・ベンチャーズ」を創業し、シリコンバレーでのベンチャー投資・インキュベーションと日本企業への事業コンサルティングを進める。2012年より大阪市特別参与、2013年~14年に同特別顧問。シリコンバレーから大阪に出向く異色のアドバイザーとして活動。関西初の独立系グローバルベンチャーキャピタル「ハックベンチャーズ」を設立。スタンフォード大学STAJE顧問、Japan Society US-Japan Innovation Award委員会理事、Silicon Valley Japanese Entrepreneurs Networkボードメンバー。主な共著書に『ITの正体』『シリコンバレーの秘密』(インプレス)、『日本的経営を忘れた日本企業へ』『成長を創造する経営』、訳書に『リアルタイム』『スマート・カンパニー』(いずれもダイヤモンド社)など。日経産業新聞においてコラム「新風シリコンバレー」を連載中。


校條浩 IoT産業革命

今までの20年は、ソフトウェア、ネットワーク、インターネットを中心に新産業を創出したアメリカが一人勝ちであった。これからの20年は、IoTが新産業創出のキーワードとなる。本連載では、IoT という新たなイノベーションの潮流と、それによりもたらせる産業革命について、シリコンバレーの現場から報告する。

「校條浩 IoT産業革命」

⇒バックナンバー一覧