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企業は情報システムをいつまでに
マイナンバーに対応させなければいけないか?

――日本オラクルの下道高志氏に聞く

河合起季,ダイヤモンドIT&ビジネス
【第85回】 2015年4月16日
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どれだけ便利になるのか、
詳しいサービス内容の多くは未決定

 マイナンバー制度では、前述した公平・公正な社会の実現だけでなく、添付書類の削減など行政手続きが簡素化されるといった国民の利便性向上や、さまざまな情報の照合や転記、入力などにかかる時間や労力を大幅に削減することで行政の効率化も期待されている。災害時などの行政手続きにも利用される。

 また、配布が予定されている「個人番号カード」は、ICチップに保管されている電子証明書によって本人確認などに利用できるようになる。この個人番号カードが医療機関や金融機関で利用できるようになる予定だが、詳しいサービス内容についてはまだ決まっていないことが多い。

 「閣議決定しているのは、『2018年から預金口座の開設でも使えるように検討する』ということだけで、現状、金融関係で決まっているのは、ほふり(証券保管振替機構)の対応だけです。医療関係では、予防接種情報とメタボ検診情報に限ってマイナンバーが利用できることだけ。健康保険証が組み入れられるには、まだ時間がかかるでしょう。ですから、今決まっていること、決まる可能性があること、さらに時間を要することをはっきりと分けて準備を進めることが大切です」

 株主のマイナンバーは、株券および株主の一元管理を行っている「ほふり」が扱うことになった。上場企業は、配当金などの支払調書にマイナンバーを記載する必要があるが、「ほふり」から株主のマイナンバーの提供を受けることになる。

 将来的には、個人番号カードを利用することによって、さまざまな情報を取り扱える可能性もあるが、現時点ではマイナンバーの利用範囲は「行政手続きのみ」に限定されており、他目的での利用は一切認められていない。マイナンバーで検索することも許されていないので、マーケティングでの活用も進むことはないと思われる。

ほぼすべての企業に
「安全管理措置」が必要
法を犯せば厳しい刑罰も

 民間企業では、従業員の健康保険や厚生年金の加入手続きを行ったり、従業員の給料から源泉徴収して税金を納めたりしているが、2016年1月以降は、官公庁や自治体に提出する書面にマイナンバーを記載することが必要になる。つまり、ほぼすべての企業がマイナンバーを取り扱うことになる。

 たとえば、企業は全従業員からマイナンバー(本人および家族)を集め、それぞれの源泉徴収票にマイナンバーを記載したうえで、行政機関に提出しなければならない。従業員だけでなく、外部の人に依頼した講演や原稿の執筆などの報酬を支払う場合も同様だ。

 また、従業員の被保険者資格取得の届出など、社会保険関連の手続きにおいてもマイナンバーの記載が必要。このほか、証券会社や保険会社は行政機関に提出する法定調書に顧客のマイナンバーを記載しなければならない。

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