ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

不安定な為替が企業の国籍を無意味にする

上田惇生
【第51回】 2008年4月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
マネジメント・フロンティア
ダイヤモンド社刊
2300円(税別)

 「風雪に耐えた教えによれば、業務としていない者が為替取引や商品取引に手を出すと大怪我をする。ところが今日の変動相場制のもとでは、堅実であることが結果として投機的であることになる」(『マネジメント・フロンティア』)

 今日、為替リスク対策としては、円建てによる製品輸出や原材料輸入以上の対策が必要となっている。

 その一つが、資金調達の国際化である。

 国内を主たる市場とする企業といえども、為替レートの変動次第では、いついかなるかたちで海外との競争に巻き込まれるかもしれない。自らを守るには、外貨建てによる資金調達が有効手段である。資金調達さえ為替対策の手段にしなければならない。

 ドラッカーは、すでにグローバル経済に組み込まれている産業では、事業を二つの部分からなるものとして組織し、マネジメントしなければならないという。

 第一が、1国ないしは2~3の主要国に根を下ろした中核的事業である。第二が、資本、為替レートなどのコスト変動に応じて国から国へと急速に動かすことのできる周辺的事業である。

 「為替レートが不安定であるということは、もはやアメリカの企業、ドイツの企業、フランスの企業というものは存在しえず、少なくとも製造業や金融業においては、世界的な事業を営むアメリカ人、ドイツ人、フランス人がいるにすぎないということである」(『マネジメント・フロンティア』)

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

⇒バックナンバー一覧