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外資系リーダーが日本を変える

「ラーニング・アニマル」に食らいつけ

杉江 陸・新生フィナンシャル代表取締役社長兼CEO

GAISHIKEI LEADERS
【第19回】 2015年4月27日
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大いなる野心を胸に抱いた有能な若者の多くが、組織の鈍さに業を煮やしながらいたずらに時間を空回りさせ、やがて型にはまった「組織人」として組織にぶら下がる側に回る。そんな事例を多く見てきた杉江陸氏が、「自分はそうはなりたくない」という意志を持つ若手世代に、キャリア形成のあり方を提言する。

優れたリーダーは
自己否定と進化を続ける

 自らの手で道を拓き、大きく世界に羽ばたきたい、と心から願い、先の成長を急ぐ若い皆さんに伝えたい。キャリア選択のカギは「どのようなリーダーのもとで働くか」にある。

杉江 陸(すぎえ・りく)
新生フィナンシャル
代表取締役社長兼CEO

1971年生まれ。東京大学教養学部卒業、コロンビア大学経営学修士・金融工学修士。メガバンク、外資系戦略コンサルティングを経て、2006年GEコンシューマー・ファイナンス入社。マスター・ブラックベルトとして各種の改革プロジェクトに従事。2012年より現職。GAISHIKEI LEADERS参画メンバーである。

 言い古されたことだが、日本企業の多くのリーダーは、そもそも経営者としての教育を受けていない。さらに悪いことに、形式的な慣習から逃れられず、日々の貴重な時間を、部下の完璧な稟議のチェックや御前会議などに費やすことを余儀なくされる。

 だが世界に目を向ければ、優れたリーダーは自分自身に相当な金銭的・時間的・体力的投資をしている。自ら人脈を拡げ、他のリーダーからも学ぶ。同僚や部下の長所を取り入れる。専門のコーチに学ぶケースも多い。いわば、日常行動のすべてが学びのプロセスである。

 彼ら彼女らがなぜそうした行動を重ねるかといえば、成し遂げたいことがあり、その願望が強烈だからだ。組織活動のすべてに責任を持つ自分自身が、現状に甘んじることなく爆速で進化することが、まだ見ぬ理想の未来の実現のための大前提であると知っているのだ。

 私は、優れたリーダーは例外なく「ラーニング・アニマル」であると確信している。

20代、30代の最大の報酬は成長である

 組織に属しビジネスに従事することの見返りとして、金銭的報酬、経験やスキルといった成長、やりがいや愛着などを含むリレーションなどが得られる。これらはリーダーとしてより大きな仕事を任されるにつけ、すべてがある程度満たされるようになるが、キャリア形成期にはすべてに充足感を得るのは難しい。それゆえ意図的に選択をする必要があるだろう。

 日本企業・外資系企業の双方に属した経験から感じるのは、日本企業ではエリート人財のキャリア選択において、「やりがいや愛着などを含むリレーション」が極度に重視されていることだ。逆に、組織への愛着に強く執着しないエリートは、ともすれば裏切り者と称される。本当にそうだろうか。

 潜在能力と意志に恵まれたエリートは、賞味期限が来る前にその潜在能力を最大限に開花させる責任を有すると私は考える。その意味で、若きエリートはリレーションや報酬よりも、成長の機会という「苦しみ」を選ぶべきだろう。リレーションも愛着も報酬も、その場を幸せに過ごすためには大切なものなのだが、求めずともどの道あとからより大きな結果としてついてくるものだ。

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GAISHIKEI LEADERSは、外資系企業での仕事等を通じて日々グローバル社会とかかわってきたメンバーが、自らの『和魂洋才』を一層磨き上げ、社内外で活用し、グローバル社会と調和した、開かれた元気な日本の未来を実現することを目指し、設立されたコミュニティ・プロジェクトです。『和魂洋才』の梁山泊となり、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞等の課題に対して、新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動を展開しています。

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外資系リーダーが日本を変える

真のグローバル経営を経験してきたビジネス・リーダーが、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞などの課題に対し新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動する「GAISHIKEI LEADERS」。そのメンバーが、日本企業にとって最優先課題といえる「経営のグローバル化」について各自の経験と知見に基づき、グローバル規模の仕組みを理解し、日本のユニークな強みをそれと調和させた上で一層輝かせていくための新しい「グローバル経営論」を解説します。

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