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外資系リーダーが日本を変える

外資も非外資も関係ない!
閉塞感は「思考停止」から生まれる

麻野信弘 ダイソン 代表取締役社長

GAISHIKEI LEADERS
【第12回】 2014年12月12日
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実力主義の日本企業はいくらでもあるし、情実を考慮した人事制度を持つ外資系企業もある。そのようなステレオタイプ化された特長をもって両者を区別することは無意味だ。だが、あえて違いを挙げれば、「思考停止」を否定する価値観を共有しているかどうかだと、ダイソン代表取締役社長の麻野信弘氏はいう。その違いがビジネスの世界でどのようなデメリットをもたらしているかについて聞いた。

日本企業、外資系企業という区分は
もはや無意味である

 外資系企業で26年間、働いているが、最近、外資系企業に対するステレオタイプ化の見方に違和感がある。

麻野信弘(あさの・のぶひろ)
ダイソン 代表取締役社長
関西学院大学経済学部卒業。P&Gジャパンで22年間、国内営業、さまざまなカテゴリーの販売企画業務に従事。P&Gとジレットとの合併プロジェクトへの参加を機にブラウン製品の販売責任者として家電業界に関わる。2010年 セールスダイレクターとしてダイソンへ転身。2012年より現職。GAISHIKEI LEADERSのサポートメンバー

 外資系企業は実力主義で若くして昇進がある、人事制度がドライである、終身雇用が存在しない、給与が高い、日本の経済に貢献していない、自由なカルチャーがある、多様性がある、本国のいいなりであるといったことは、私が社会に出た26年前は外資系の特長といえたが、現在はそうとはいえない。

 実力主義の日本企業はいくらでもあるし、情実を考慮した人事制度を持つ外資系企業もある。終身雇用などは一部の大企業においてのみ既成事実として存在していただけで、最近ではそうした固有の制度を排する大企業もある。

 給与の差は、外資系と日本企業のというより、所属する業界のよる差によるものが大きい。海外に生産拠点を置いて日本で納税しない日本企業がある一方で、日本に生産拠点を置き納税する外資系企業もある。自由なカルチャーの日本企業もあれば、官僚的な外資系もある。海外売上比率が高く外国人社員の多い日本企業もあれば、日本拠点は全員が日本人という外資系企業もある。ステレオタイプ化された差異はもはや存在しない。あるのは個々の企業の差である。

外資系と日本企業の相違点

 それでも外資系と日本企業の違いを一点挙げれば、「思考停止」を否定する価値観を共有しているかどうかだろう。

 思考停止とは文字通り、考えることをやめることである。それ自体は珍しいことではない。多くの人が日常生活のほとんどの局面で深く物事を考えずに生活している。例外は、軍隊組織だ。軍人は、組織の命令に対する絶対服従が原則である。上意下達とは、ある意味、思考停止といえよう。同じようにビジネスの世界においても、強力なカリスマリーダーの下では、従業員は思考停止して、ひたすらトップの決めた方針に従い、その達成を目指す方がうまくいくようだ。

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真のグローバル経営を経験してきたビジネス・リーダーが、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞などの課題に対し新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動する「GAISHIKEI LEADERS」。そのメンバーが、日本企業にとって最優先課題といえる「経営のグローバル化」について各自の経験と知見に基づき、グローバル規模の仕組みを理解し、日本のユニークな強みをそれと調和させた上で一層輝かせていくための新しい「グローバル経営論」を解説します。

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