ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

裏切り妻に一矢報いたい!
心を打ち砕かれた夫に必要な「強さ」(下)

露木幸彦 [露木行政書士事務所代表]
【第2回】 2015年4月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

>>(上)より続く

 これは、慰謝料を請求した後も同じことです。もし松本氏の言う通り、大介さんが智子さんに対して「男はこんなことを言っているけれど、本当はどうなんだ?」と問いただすことができれば何の問題もないのですが、智子さんがきっと激怒するでしょう。またそのせいで、智子さんが娘さん(夫婦間の子ども)に対して大介さんの悪口を吹き込み、父娘の関係に悪影響が及ぶようなことがあれば、踏んだり蹴ったりです。

 このように大介さんは、松本氏から思いがけない反論を食らったせいで、ほとほと弱ってしまい、何も言い返せなかったようです。まるで(元)妻を人質にとられたような形ですが、何か打つ手はあるのでしょうか。松本氏は「なぜ自分だけ?」などと、なぜか被害妄想に走るような女々しい輩ですが、どうやって打ち負かせば良いのでしょうか。

妻から離婚の慰謝料をもらうも
その後不倫が発覚という難しさ

 ここで、智子さんの責任の取り方を考えてみましょう。大介さんいわく、離婚の話を進める中で、当初智子さんは「私のわがままで離婚するんだから」と慰謝料の話を自ら切り出してきたそうです。具体的には「毎月1万円×11年間(子どもが成人するまで)=132万円」という条件でした。毎月1万円では大介さんの小遣いの足しにしかなりませんが、確かに智子さんはパートタイマーで年収は100万円前後、しかも離婚後は母子家庭になり、1人で娘さんを育てていくのだから、智子さんにとっては最大限の誠意だと言えるでしょう。

 結局、大介さんは素直にその条件を受け入れたのですが、それは当時、まだ不倫相手の存在を認識しておらず、慰謝料の中身に「不倫の分」が含まれているとは知らなかったからです。

 智子さんが本当に2人分(智子さん+松本氏)の慰謝料を大介さんに支払ったとしたら、この件はどうなるのでしょうか。確かに、大介さんが松本氏に対して追加で慰謝料を請求することは難しくなりますが、本当に智子さんは2人分の慰謝料を立て替えたと言えるのでしょうか。

 前述の通り、結婚10~15年の夫婦が離婚する場合、法務省の司法統計によると、慰謝料は432万円が妥当な金額です。一方で、智子さんが離婚時に約束したのはわずか132万円です。よって、智子さんは自分の分としても不十分な金額しか支払っておらず(ただし、夫婦間でこれ以上の金額を請求しないことを約束しています)、もちろん松本氏の分を立て替えたことにはならないのです。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

露木幸彦[露木行政書士事務所代表]

つゆき・ゆきひこ/行政書士、フィナンシャルプランナー。1980年生まれ。国学院大学卒。男性の離婚相談に特化した行政書士事務所を開業し、開業から6年間で有料相談件数7000件、法律文書作成900件を達成。公式サイトは1日訪問者3300人、会員数は1万3000人と、業界では最大規模にまで成長させる。2008年よりドコモ、au、ソフトバンクの公式サイトで法律監修を担当。四半期に一度、大相談会を開催している。主な著書に『結婚貧乏~結婚してはいけない人を避ける方法』(中央公論新社)、『離婚のことばハンドブック~今すぐ解決したい人のキーワード152』(小学館)、『男のための最強離婚術』『男の離婚 賢く有利に別れるための6つの成功法則』(共にメタモル出版)などがある


実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

昨今の離婚事情は複雑化している。夫が借金、浮気、暴力を繰り返して妻に愛想を尽かされるという「昭和型離婚」ばかりでなく、足もとでは「草食系離婚」も急増している。妻が多重債務、不倫、ヒステリーなどを繰り返し、真面目で優しい夫がそれに絶えられなくなって離婚を決意するというパターンだ。そうしたなか、離婚トラブルで悩み悶える男性が増えている。一度離婚トラブルに発展すると、男性は多くの精神的・物理的な負担を強いられる。到底納得できない理不尽な離婚トラブルに意図せず巻き込まれた場合に備えて、普段から対処法を考えておくことは必要だ。「男性の離婚相談」に特化し、数多くの相談実績を誇る行政書士の露木幸彦氏が、毎回実例を挙げながら、男性が陥り易い離婚トラブルへの対処法を指南する。読まずに泣くか、読んで笑うか――。現在離婚トラブルで悩んでいる人もそうでない人も、「他人事ではない男の離婚」について考えるための参考にしてほしい。

「実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦」

⇒バックナンバー一覧