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「音」「色」「動き」の新商標で
企業の手間とコストが急増する?(上)

――福井健策弁護士に「商標法改正」のポイントを聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
2015年5月8日
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商標法改正で4月から商標の対象が拡大され、企業の製品やCMに使われる「音」「色」「動き」などの商標登録が認められるようになった。新制度スタートからわずか1ヵ月で500件以上の出願がなされたというが、こうした動きの背景には、商標登録に走らなければいけない企業のやむにやまれぬ事情もあるようだ。今回の商標法改正で企業が気をつけるべき「落とし穴」とは何か。企業は法改正を、自社の知財戦略にどう役立てるべきか。知的財産権に詳しい福井健策弁護士に「知らないと困る意外なポイント」を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)

「音」「色」「動き」の新商標とは?
1ヵ月で出願数500件以上の背景

「音」「色」「動き」といった新しいタイプの商標登録が認められたことは、実は企業にとってメリットばかりではないようだ 
Photo:aluxum-Fotolia.com

――商標法改正により、これまで文字、図形、記号などの形あるものに限られてきた商標の対象が拡大され、企業の商品やテレビCMなどに使われる音、色、動きなどに関する商標登録制度が4月からスタートしました。「音」「色」「動き」などと言われても一般人にはピンときませんが、新しい登録商標制度とはどんなものですか。

 従来の商標は、自社の商品・サービスに使われている文字や図形などの特定の標識に関してしか登録することができませんでした。それが特許法等の一部を改正する法律(平成26年5月14日法律第36号)によって商標法が改正され、「動き」「ホログラム」「色彩のみ」「音」「位置」という新しい5つの分野についても商標を登録することができ、その権利が保護されるようになったのです。

――具体的に、どんなものが当てはまるのですか。

ふくい・けんさく
弁護士・ニューヨーク州弁護士。骨董通り法律事務所For the Arts代表パートナー、日本大学芸術学部客員教授。1991年東京大学法学部卒業、98年米国コロンビア大学法学修士課程修了。芸術文化法、著作権法を専門とし、thinkC(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)世話人、国会図書館審議会など多数の審議会・委員会・団体の委員・理事も務める。著書に『18歳の著作権入門』(ちくま新書)、『著作権の世紀 ─変わる「情報の独占制度」』(集英社新書)、『「ネットの自由」vs.著作権 ─TPPは、終わりの始まりなのか』(光文社新書)など。

特許庁のHPで紹介されている例を参考にすると、「色彩のみからなる商標」とは、単色または複数の色彩の組合せのみからなる商標(これまでの図形などと色彩が結合したものではないもの)を指します。たとえば、トンボの「MONO消しゴム」のデザインは、すでに米国でトンボが商標出願していますが、色の組み合わせを見ただけで、世間が「MONO消しゴムだ」と認識できる有名なもの。こうした色を商標とみなして登録できるようにしたのです。

 また「位置商標」は、図形などの標章を商品などに付す位置が特定される商標です。わかり易い例は、久光製薬のサロンパスのデザイン。これは色の組み合わせもそうですが、「サロンパス」と言われなくても、見た人が「サロンパスだ」とすぐに認識できるデザインの配置となっています。

 さらに「ホログラム商標」は、文字や図形などがホログラフィその他の方法によって、見る位置によって変化する商標。「動き商標」は、ムービングロゴのように、文字や図形などが時間の経過に伴って変化する商標です。これらは、ソニーなどが実際に登録商標を取っています。

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