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山崎元のマネー経済の歩き方

儲かる競馬プログラムの衝撃

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第101回】 2009年11月2日
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 データ分析会社「UPRO(ユープロ)」という会社が脱税で摘発された。3年間で約160億円の所得隠し、重加算を含めた追徴税額は約60億円だが、同社の英国人社長はすでに出国、資産は多くが国外に移されていて、国税局による差し押さえ額は20数億円で全額徴収は難しい状況らしい。

 競馬は個人の場合も、条件によっては課税対象になる。馬券の払戻金を計算する際、すでに約25%も差し引かれていて、さらに課税されるのではつらいが、実際はその25%があまりに重く、筆者も含め多くの競馬ファンは課税の心配をしたことがないはずだ。

 この事件は脱税事件としても興味深いが、なんといっても衝撃的なのは、160億円の儲けが日本の競馬の配当金によって稼ぎ出されたものだということだ。

 報道によると、コンピュータプログラムによる馬券購入で、1レースの購入額が1億円を超える場合もあったというが、競馬サークルの内部情報を使うのではなく、データ分析によるものだ。

 情報が発達し、参加者も多いマーケットで大きな控除率を超えて勝つのだから、脱税は悪いが、ノウハウはすばらしい。まさかこのようには勝てまいと思っていただけに、目の覚める思いだ。

 競馬に力を入れている日刊紙「日刊ゲンダイ」(10月12日号)によると、UPRO社が使っていたプログラムは、競走馬の能力や成績、騎手の実績、気象条件、馬場状態などを入力、3着までに入る期待値の高い馬をレーティングして、3着に入りそうにない馬を除外し、3連単(1、2、3着を順番にすべて当てる)の馬券をそうとうの点数買っていたようだ。現時点で、これ以上の内容は推測するしかない。

 今回有名になったことで、UPRO社の名をかたる競馬必勝法の詐欺的ビジネスが登場しそうだという心配もある。競馬に限らず株式投資でもFXでも本当に儲かる方法論は、他人に公開しないはずだ。引っかからないでほしい。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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