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【第69回】 2015年5月14日
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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

わずか30人で究極の高効率エンジンを
実現した技術者の発想とマネジメント力
『答えは必ずある――逆境をはね返したマツダの発想力』

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人が足りない、金がない、意識もバラバラ。こんな環境の下で、待ったなしの目標を達成しなくてはならなくなったら、あなたはどうしますか。『答えは必ずある』と題された本書には、それに対するヒントが満載です。

わずか30人の開発部隊

人見光夫著『答えは必ずある――逆境をはね返したマツダの発想力』2015年2月刊。装丁にはマツダを危機から救った「SKY ACTIVEエンジン」が掲載されています。

 筆者の人見光夫さんは広島にある自動車メーカー・マツダの常務執行役員で、世間をアッと言わせたエンジン開発の責任者です。日本カー・オブ・ザ・イヤー2014-2015で、マツダの『デミオ』が、最優秀車に選ばれました。

 環境にやさしくて車の燃費性能を上げるには、ハイブリッド車か電気自動車しかないという常識が流布されている中で、このデミオは人見さんたちが開発し、「量産ガソリンエンジンとしては世界最高となる圧縮比一四(:一)を実現した直噴エンジンのSKYACTIVE-G1・3」を搭載し、「同じクラスのハイブリット車と同じ燃費性能、リッター三〇キロ」を達成したのです。

 往年の自動車ファンにとってマツダと言えば、ロータリーエンジンや二人乗りの小型オープンスポーツカーの『ロードスター』が思いかびますが、実はバブル崩壊後、リーマンショック後と幾度か経営危機に見舞われます。

 業界トップのトヨタ自動車と比べると、マツダの売上、利益はトヨタのほぼ10分の1、研究開発費に至ってはトヨタが9000億円なのに対して、マツダは994億円(いずれも14年3月期)しかありません。人見さんが率いていた先行開発部門は、大手メーカーでは1000人規模なのに対し、約30名しかいませんでした。

 こうしたナイ、ナイ尽くしの状況で、いかにして世界最高水準の性能を持つエンジンを開発できたのでしょうか。それは課題設定と課題を克服していく方法論の的確さにあると言えるでしょう。本書は技術者たちの開発をつづったものですが、通常の部・課の目標達成にも、プロジェクトのマネジメントにも広く応用できとると確信できます。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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