ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

「いい質問」ができる人は出世する

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第20回】 2015年5月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

質疑応答の下手な会社は8割?

多くの人が集まる講演やスピーチなどの場では、質問力が問われている

 私は、かなりの長期間にわたり、社長が自社の社員などに対して行うスピーチ原稿を書くということを仕事の一つとしてきた。スピーチは事前にしっかりと打ち合わせができて、話の練習をする時間さえ取れれば、それなりのものにはなる。しかしながら、スピーチの後にある社員からの質問タイムはとても怖い。どんなことになるか、その内容をコントロールできないからだ。

 質問タイムはすごく重要である。良質な質疑応答が行われると、話の内容の理解が深まるだけでなく、そこに居る人たちに幸せな未来の予感が生まれ、個々人に具体的に明日から何をやればよいかのイメージが形成される。そして、一体感が生まれて、組織の士気が大幅に向上する。こうなれば、スピーチは大成功したといえるだろう。

 一方、さして重要ではないところに話が展開したり、ごく一部の人しか関係のない細部の確認のような質問が続くと、ムードが大幅に盛り下がってしまう。良いスピーチの印象も極めて薄くなってしまう。

 そこで仕方なく、(許される場であれば)良い質問をするであろうと思われる仕込み(サクラ)の質問者を指名しておくこともあるのだが、いろいろな場数を踏んでみると、サクラの用意などまったく考える必要がないほど質問がうまい人たちが多い会社と、拙い人ばかりの会社があることに気付く。比率的には2:8くらいかもしれない。もちろんうまい人が多い会社のほうが2である。

 うまい人が多い会社では、本編のスピーチでは時間の関係などで触れることのできなかった重要なポイント、たとえば、「Bという意思決定でもあり得たのだが、なぜAを選択したのか?」「スピーチの中で触れられていた新しいコンセプトを実現した事例として、私は○○のようなことを体験したのだが、こういう仕事こそ、社長の求めているものか?」などといったような、内容を補足し、さらに骨格を際立たせるような質問が飛び出してくる。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

⇒バックナンバー一覧