ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
Go! Africa ~ビジネス新大陸「アフリカ」という選択肢 米倉誠一郎

日本企業よ、アフリカに針路を取れ!

米倉誠一郎
【第1回】 2015年6月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 僕が最初にアフリカに行ったのは2011年のこと。南アフリカのプレトリア大学のビジネススクール[GIBS = Gordon Institute of Business Science]で「震災後の日本復興」について学会発表するために数日訪れたにすぎないのだが、それから2年後の2013年、突如アフリカと深い縁を持つことになる。GIBS内に設置された日本研究センターの二代目所長に就任してしまったのだ(現在は、同センターの体制変更により、所長から顧問に就任)。

 日本研究センターは、日本と南アフリカの国交樹立100周年を記念し、南アでトヨタ自動車の製造販売を手がけてきたブラッドリー家が中心となった基金により2011年に設立された研究機関だ。日本と南アにおける学術・ビジネス・人的交流のハブとなり、両国の相互理解を深めることを目的としている。

南アフリカの行政首都・プレトリアにあるGIBS日本研究センター

両国の間に横たわる相互理解の薄さ

 僕がこの所長を引き受けることになったのは、冒頭に書いたとおり、2011年に招かれて行なった学会発表がきっかけだった。「日本の強靱性」をテーマに日本のポテンシャルについて語ったのだが、逆にそのとき痛感したのは、現地の人が日本のことをほとんど知らないということ。韓国や中国と比べて、南アにおける日本の存在があまりにも薄いという現実に愕然とした。

 お互いのことをもっと知れば、日本と南アは絶対に良いパートナーになれるはず――そう思った僕は、その一助を担いたいと所長就任の話を受けることにしたのだ。

 だが、相手のことをよく知らないのは、われわれ日本人も同じだ。南アというと、2010年に開催されたFIFAワールドカップが記憶に新しいところだが、多くの日本人が抱く南アの印象といえば、かつての人種隔離政策(アパルトヘイト)や、犯罪率の高い危険な国といったところが大半かもしれない。

 しかし一方で、南アは名目GDPで世界33位、アフリカ諸国のなかではナイジェリアに次ぐ経済大国でもある。1人当たりGDPでは85位(6621ドル)と、中国の83位(6958ドル)と大差ない。しかもこのマーケットには、巨大な貧困層に加えて、「ブラック・ダイアモンド」と呼ばれる黒人中間層が急速に伸びている。アフリカに進出するならば、最初にベンチマークすべきマーケットなのだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

米倉誠一郎 一橋大学イノベーション研究センター教授/プレトリア大学GIBS日本研究センター顧]

 1953年東京生まれ。一橋大学社会学部、経済学部卒業。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。ハーバード大学歴史学博士号取得(PhD.)。1995年一橋大学商学部産業経営研究所教授、97年より同大学イノベーション研究センター教授。2012年~2014年はプレトリア大学GIBS日本研究センター所長を兼務。現在、一橋大学の他に、Japan-Somaliland Open University 学長も務める。

 長年、イノベーションを核とした企業戦略、組織の歴史を研究。NPOなどの非営利組織のアドバイザーも歴任。また、バングラデシュや南アフリカをはじめとする途上国事情にも精通し、積極的にビジネス/人材交流プロジェクトを推進している。著書に、『創発的破壊 ~未来をつくるイノベーション』(ミシマ社)、『企業家の条件』(ダイヤモンド社)など多数。


Go! Africa ~ビジネス新大陸「アフリカ」という選択肢 米倉誠一郎

40億人とも言われる巨大マーケット「BOP」の一角を占め、世界一を狙うならもはや避けては通れない市場・アフリカ。世界の企業がこぞって参入するなか、多くの日本企業にとってはまだまだ「遠くて遠い国」だ。そこで、アフリカの現地事情をよく知る米倉誠一郎が、BOPビジネスの主戦場となるアフリカのポテンシャルと日本企業のビジネスチャンスについて、リアルな現地リポートを交えて紹介する。

「Go! Africa ~ビジネス新大陸「アフリカ」という選択肢 米倉誠一郎」

⇒バックナンバー一覧