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アフリカ、経済成長の光と影

劣悪トイレ事情の改善に挑む
ケニアで進めるリクシルの“水なしトイレ”

【第6回】 2013年7月5日
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袋に入った糞尿が舞う——。にわかに信じられない話だが、本当の話だ。ケニアの首都、ナイロビから車で数分のところに広がる東アフリカ最大規模のスラム、キベラ地区。上下水道システムがないため、トイレ事情は最悪だ。そんな状況を改善するために立ち上がったのが総合住宅設備メーカー、リクシルだ。長年、劣悪なまま放置されてきた東アフリカ地域の衛生状況という影の部分に、独自の商品を提供し光を当てようとしている。(取材・文/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

病気とレイプの温床
夜中のトイレは命がけ

 「フライング・トイレット(flying toilet)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。意味は直訳の通りの「飛ぶトイレ」だ。

 ケニア、ナイロビ中心街から車で数分のところに広がる東アフリカ最大規模のスラム、キベラ地区では、だれもが知る一般的な“トイレ”である。

 キベラ地区では上下水道などが整備されていないため、人々は便や尿を小さな袋にして、その後、屋外へ投げ捨てる。ゆえに、フライング・トイレットと言うのだ。

真ん中に見える小屋がトイレだ。一応、囲いがあるが、丸見えだ Photo by Mutisya&Yarime(2011)

 右の写真を見てほしい。これはキベラにある実際のトイレである。ここで出された排泄物は、そのまま下の小川へ落ちる。足下も不安定で、外部からも丸見えである。

 したがって、だれもがこうしたトイレは使いたがらない。特に夜中は、女性はレイプされる危険もあるため、使うことはほとんどないという。フライング・トイレットは身を守るためでもあるのだ。

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アフリカ、経済成長の光と影

いま、アフリカ大陸に世界の経済人たちの熱い視線が注がれている。本格的な経済成長へ向けて、政府間では数千億円規模の開発プロジェクトが次々と決定。企業もアフリカの市場として可能性に注目し、本格的に進出へ動き始めた。それはまるでアフリカ投資に関して遥か先を走る中国政府の動きに引っ張られているかのようで、前のめりな姿勢が目につく。しかし、冷静にアフリカ市場を見ていくと、いまだに貧困問題や感染症問題が未解決のまま残されており、市場の成長を阻害する要因となっているようだ。本連載ではアフリカ経済の成長性という光の部分と、未解決のまま残された社会問題という影の部分を取り上げる。

「アフリカ、経済成長の光と影」

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