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トップ営業マンの説得術

「場所」を有効に使って、説得効果を高める

プロセス1:外部環境を整備する【後編】

榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]
【第3回】 2008年5月8日
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営業において、説得力・交渉力は不可欠なもの。これまでは自己流で身体で学ぶというのが主な方法でしたが、説得のメカニズムを「科学」しておけば、誰でも効果的に説得力を身につけられるのです。

 前回紹介したAさんの事例で使える有効な説得テクニックに

■場所変え法
■舞台装置法(自己演出法)

があります。

時には説得場所
を変えてみる

 環境自体が説得の一部として用いられます。その代表例が「場所変え法」です。以下の事例をご覧ください。

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【事例1】
私の会社では、来客によって応接室あるいは会議室を使い分けている。たとえば好ましくない客の場合、窓のない部屋や間仕切りのみのスペースで打ち合わせをすることが多い。じっくりと情報交換したい客のときは、ゆったりとしたソファーのある快適な応接室を、技術的な討論がしたいときは、機能的で適度なスペースの場所を選んでいる。
------------------------------------------------------------------

 説得にもTPOというものがあることを考えてみる必要があります。説得におあつらえ向きな環境もあれば、不向きな環境もあります。説得の環境要因として、まず思い浮かぶのがどんな場所で説得をすればいいかということです。説得を行う場所は、相手に物理的にも精神的にも大きな影響を与えます。「場所」という説得手段を有効に使えば、説得効果を高めることができます。

展示会などで、
もっともらしさを演出せよ

 Aさんのデザインがいかに優れていようと、対応や外見を含めたサービスがB級であれば、万事がB級だとみられてしまいます。もしかすると、「こんな事務所で平気な建築家にはとても任せられない」とまで考えてしまった人もいるかもしれません。

 だれでも大切な人にプレゼントを贈る場合、何を買うかだけでなく、どんな包装にするか、どこで、どんなタイミングで手渡すかあれこれ考えるでしょう。ビジネスも全く同じです。説得を行う場所を舞台と見立てて、いろいろ演出してみることも説得効果を高めてくれます。

 「舞台装置法(自己演出法)」は、私たちが命名したものですが、説得者が音楽、照明、歓声、拍手、衣装、装飾品などを用い、説得に都合のいい雰囲気をつくり出すことにり、その場にいる人々を説得されやすい心理状態にして説得する方法です。

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榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]

慶応高校から慶応義塾大学経済学部を経て、慶応義塾大学院社会学研究科博士課程修了。米国スタンフォード大学留学。専門は社会心理学。主として効果的な説得戦略、およびイノベーションの効果的な普及戦略に関する研究に従事。主な著書に『説得と影響―交渉のための社会心理学』『日本列島カルト汚染―説得と勧誘の社会心理学』(いずれもブレーン出版)などがある。


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