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金融市場異論百出

実はアベノミクスが手本?
株価上昇でリスク先送りの中国

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2015年6月2日
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株価上昇を示す赤字で埋め尽くされる電光掲示板の前でポーズを取る投資家。5月22日、中国株は7年3カ月ぶりの高値を記録した
Photo:REUTERS/アフロ

 中国政府は、9月3日に抗日戦争勝利70周年式典を開催し、その日を祝日にすると発表した。9月3日は木曜日だが、翌金曜日も休めるなら4連休となる。このため中国人の間では「連休になるなら日本に買い物に行こう」と相談し合っている人が少なくないという。

 今、この原稿は中国で書いているのだが、北京でも上海でも、「日本での買い物は安いし、楽しい」と何度も言われた。個人の実体験が口コミで広がる中で2国間の関係が改善していくならば、それは非常に望ましい流れである。

 ところで、中国の株価が驚くほど上昇している。株式投資が好きな中国人の知人は、「多くのハイテク株が数百%上昇した。政府がお金を刷って配っているかのようだ」と興奮気味に語っていた。

 なぜなら、明らかに中国政府は株価上昇を意図した情報発信を行っているからである。「人民日報」や新華社通信といった機関紙、国営メディアは株式投資を推奨する記事を度々掲載してきた。今年春には、政府や中央銀行である中国人民銀行の幹部までも株価上昇を歓迎する発言を行っている。

 習近平体制は過剰生産業種の整理、汚職摘発といった改革を進めてきたが、それは経済成長にブレーキをかけている。汚職摘発を恐れる地方政府幹部は公共投資を過度に抑制したため、金の巡りが急速に悪化した地域が散見された。消費、輸出にも力強さが欠ける。

 人々の成長期待が急激に低下すると悪循環が始まる。それを避けるため、政府は株価を押し上げたかったようだ。また、国有企業の株式上場が控えていること、中小企業・ベンチャー企業の資金調達先をシャドーバンキング(金融当局の規制外での金融取引)から資本市場にシフトさせたい事情も背景にあるだろう。

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