ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
Close-Up Enterprise

社外取が日本人CEOを電撃解任、米製薬ベンチャー内紛の教訓

窪田 良(アキュセラ・インク会長・社長兼CEO)インタビュー

週刊ダイヤモンド編集部
2015年6月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

2014年に東証マザーズへ上場した米製薬ベンチャー、アキュセラ・インクの日本人創設者である窪田良氏が同年末、CEOの座を追われた。15年5月に復帰した窪田氏が、内紛騒動の顛末を語った。(「週刊ダイヤモンド」編集部 臼井真粧美)

くぼた・りょう/1966年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、博士号取得。大学院時代に緑内障原因遺伝子を発見。同大学病院などで眼科医として勤務した後に渡米し、米ワシントン大学医学部で助教授。2002年にアキュセラ設立。
Photo by Masato Kato

それは青天のへきれきだった。2014年12月22日。米国で創業した製薬ベンチャーであるアキュセラ・インクの会長兼最高経営責任者(CEO)である窪田良氏が出社すると、社外取締役らが顔をそろえ、臨時取締役会の開催を告げてきた。

 取締役会で彼らは私を褒めちぎりました。「ゼロから会社をつくって資金を調達し、新しい化合物(新薬候補)を発見し、企業パートナーも見つけ、上場もしてみせた。あなたは素晴らしい経営者であり、バイオテクノロジー界のスティーブ・ジョブズ(米アップル共同創設者)だ、ビル・ゲイツ(米マイクロソフト共同創設者)だ」と。それなのに、CEO交代を提案してきた。辞めろという根拠を示さず、ただ褒めるばかりでした。

一人反対票を投じても多数決で勝てない。その場では折れ、全員一致のかたちでCEO職は当時の最高執行責任者(COO)に譲られた。窪田氏は3カ月に1回の取締役会に出るだけのファウンダー(創設者)兼会長となり、日々の経営を主導する立場を追われた。

 米国では、社外取締役がCEOの解任と選任を容易に発動します。ベンチャーが成長する過程で経営者が入れ替わっていくのも、よくあることです。でもね、通常は事前に相談があって決めていくもの。

 傲慢かもしれませんが、日本の投資家の感覚を理解している、パートナーである製薬会社(大塚製薬)との関係を保ってきた、化合物のことを科学的に誰よりも知り尽くしているという3点において、今のステージで会社の運営は私がやるべきだろうと思っていました。

窪田氏がCEOを解任された背景の一つに、14年に東証マザーズへ上場した同社の株価が下落していたことがあったのかもしれない。

次のページ>> 窪田氏の反撃
1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年2月25日号 定価710円(税込)

特集 弁護士・裁判官・検察官 司法エリートの没落

知られざる法曹界の真実

【特集2】
サントリーと創業家
グローバル化への試練

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


Close-Up Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「Close-Up Enterprise」

⇒バックナンバー一覧