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見据えているのは海外?日本映画を牽引してきたフジテレビの戦略に迫る

【第14回】 2009年10月21日
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 興行収入173.5億円で、日本の実写映画歴代NO.1ヒットを記録した『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』。この映画をはじめ、『踊る大捜査線 THE MOVIE』(101億円)、『HERO』(81.5億円)と、次々と大ヒットを生み出してきたのがフジテレビだ。ここ数年、テレビ局が製作する映画が日本映画を引っ張っているが、その中でもリーディングカンパニー的存在として、常に数字を残してきた。

 そのフジテレビのラインナップが、今年は少々、違っているようだ。大ヒット作の続編や高視聴率ドラマの映画化と言ったキラーコンテンツが鳴りを潜め、代わって目立つのが、海外映画のリメイクや、ヒットが難しいと言われるオリジナルストーリーの映画化。その中の1本が、2005年の米国アカデミー賞で脚色賞を受賞した『サイドウェイ』の日本版『サイドウェイズ』。10月31日より公開となる。

 どうして『サイドウェイズ』を作ったのか? そして、今年のラインナップの狙いは? 『サイドウェイズ』製作の裏話とフジテレビの映画戦略を、同社執行役員常務で映画事業局局長の亀山千広氏に語ってもらった。

大人の青春映画に挑戦!

亀山千広
亀山千広(Kameyama Chihiro)
1956年生まれ。フジテレビに入社後、編成部のドラマ担当として『教師びんびん物語』(88)などで頭角を現す。第一制作部に異動後、『踊る大捜査線』(97)などのヒット作をプロデュース。編成部長、編成制作局長、映画事業局長を経て、現在、執行役員常務映画事業局長。これまでプロデュースを手がけた主な映画に、『踊る大捜査線 THE MOVIE』(98)『LIMIT OF LOVE 海猿』(06)『HERO』(07)などがある。

 まずは、アカデミー賞にも輝くハリウッド映画が、どういう形で日本映画として生まれ変わることになったのか? その経緯から語ってもらった。

 「ここ数年、ハリウッドのメジャースタジオが、日本をはじめとする各国での映画製作、いわゆるローカルプロダクションを強化する動きがあって。うちも、20世紀フォックスさんと海外ドラマ『24』で組ませていただいている関係で、先方から何か一緒に作らないかという話がきたんです。そこで『可能なら、ぜひ、やってみたい作品がある』とお話しさせていただいたのが、『サイドウェイ』のリメイクでした」

 米国映画『サイドウェイ』は、中年の小説家志望の国語教師マイルスが、1週間後に結婚を控えた親友のジャックと共にカリフォルニアのワイナリーを旅する物語。旅の途中でマイルスは、ワイン好きの魅力的な女性マヤと出会う──。実は、今回の話が来る前から、亀山氏は『サイドウェイ』が好きだったという。

 「ただ、フジテレビとしては、なかなか企画しづらい映画で。というのも、客席を一杯にすることを目標に企画を立てると、こういう大人の青春映画は、いいところまで行っても最後にはこぼれていく。日本では、なかなか作れる土壌がない映画なんですね。だからこそ、フォックスさんと組んで成立するのであれば、挑戦してみたいと思って。若年層でなく中高年が楽しめる、観客が集まりにくい平日に強い興行になれればいいと思っていました」

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