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データ分析を業務プロセスに組み込む
――意思決定の自動化が適合する領域とは

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第43回】 2015年6月5日
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分析は、大量のデータが蓄積され、それを基に何らかの仮説を検証するためだけに行うものだという考えは一時代前のものとなっている。データ分析が日々の意思決定や業務プロセスの一部になっていることが分析力を武器にする企業の条件となる。そのためには、分析を業務プロセスに組み込むことで意思決定を自動化することが有効な領域を見極めることが重要となる。

認識されつつある
分析力の重要性

 分析力が今後の競争優位の源泉となることは、先進的な企業において認識されつつある。しかし、それを実現している国内企業は少数派といわざるを得ない。多くの企業では、市場調査や販促キャンペーンの時だけ単発的に分析を行っていたり、一握りの専門の担当者が分析した結果をレポートという形で一般社員に提示したりしている。データ分析を企業風土の域まで定着させるためには、特定の分析専門家が利用するだけでなく、ビジネス部門にあまねく利用されることが要件となる。

 また、一過性の取り組みや特定領域に閉じた活動にとどまることなく、常にデータに裏づけされた事実とその分析が意思決定の拠り所となっていなくてはならない。そのためには、特別なスキルと手間を必要とせず、業務の中に当たり前のように分析が組み込まれている状態にすることが有効となる(本連載第20回第21回)。

業務特性から導かれる
分析自動化の有効性

 分析には、その都度視点や条件を変更して行うアドホックな分析と、ある程度パターン化された定型的なものがある。特に後者の定型化された分析については、業務プロセスや業務システムに組み込み、一定のプロセス完了後や一定の間隔で必ず分析がなされるようにすること、すなわちデータ分析を自動化することが望ましいのである。

 例えば、1日が終わったらその日のアクセスログをすべて集計・分析し、その結果を自動送信で管理者にメール通知する、製品の品質検査で不良率がある閾値を超えたら、過去1ヵ月の不良率の推移を自動的に集計してレポートするといったことが考えられる。

 人が考えて当たり前のように行う分析であれば、システム化して自動的に行ったほうが、早くかつミスなく行うことができるのは当然のことといえる。分析作業を自動化し、意思決定プロセスに組み込めば、個人によるバラつきが減り、効率よく判断を下すことができる。

 しかし、すべての分析をシステム化し意思決定を自動化すればよいというものではない。業務の特性に応じて自動化すべき度合いを見極めることが重要である。意思決定の自動化が適合するかどうかを見極めるには、業務の反復性およびビジネスルールの普遍性と、情報が電子的に供給される割合を基準とするとよい。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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