聴取率は6%台に回復!
ラジオ復活の鍵を握るのは○○だ!
ビデオリサーチの首都圏ラジオ調査で、ラジオ聴取率が前回4月度の5.7%から、0.3ポイントアップの6.0%となった。昨年10月の調査以来、約1年ぶりにラジオ聴取率が6%台に回復した。胸をなでおろす関係者の姿が見えてきそうだ。
しかし、0.3ポイントアップというのは、意外と馬鹿にできない数字だ。何がその原動力になっているのか。6月30日に発表されたトレンド総研の調査によると、興味深い事実が明らかになる。5年前の調査と比較すると、ラジオを聞く時間、接点ともに増えたという回答が29%も増加している。
ラジオの販売台数が増えたという話は聞かない。では、彼らはラジオをどうやって聞いているのか。20代から60代では、半数以上の人がカーラジオで聴取している。私も車に乗るときは、ラジオをつけっぱなしにしているし、同じような人は多いはずだ。これに加えて、PCやスマホを使用する、インターネット経由でのラジオ聴取がじわじわと増えてきているようなのだ。特に10代に顕著で、スマホのラジオアプリを利用しての聴取が割合としては最大になっている。20代から40代も、カーラジオに次いで、ネット経由での聴取が多い。
スマホやPCでのラジオ視聴に大きな役割を果たしているのがradiko.jpだろう。というのも、「ネット上でラジオを聴取できます」とうたっている各民放も、サイトに行くと、大部分はradiko.jpに誘導されるかたちになっているからだ。
radiko.jp はIPサイマル放送サービス。つまり、通常の電波で配信されている放送をラジオで聞くのと同じように、今現在放送されているラジオをネット経由で聞くことができるサービスだ。2010年3月に試験配信を開始し、現在、月のユニークユーザー数が1200万程度、全国101局の民放ラジオ局のうち、74局が参加している。
というわけで、radiko.jpを運営している株式会社radiko業務推進室の青木貴博さんに話を聞きにいってみた。
昨年夏に行われたアンケート調査ではユーザーの大半が30代・40代の男性サラリーマンという結果になっている。radiko.jpは聴取にあたって、登録は一切必要ない。そのためにユーザーの属性情報はサイト訪問者へのアンケート調査をもとにしているが、アクセスが集中するのが、出勤・退勤に相当する時間帯であることから考えると、アンケート調査はある程度信頼できそうだ。先ほどのトレンド総研のデータでは、20代と40代のネット経由での聴取割合に大差がなかった。ということは、そのぶん40代のラジオ人口の多さが伺える。