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小川たまかのダイバーシティ・ホンネとタテマエ

日本人が自覚していない根深い「差別」の意識

小川たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役]
【第4回】 2015年6月23日
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ひと目で「ガイジン」と
判断する日本人

 ダイバーシティと名の付く連載をやっていながら、ダイバーシティが何か、いまいちピンと来ていないところがある。言葉の意味としては「多様性」であり、人種や国籍、性別、年齢など属性にとらわれない社会が目指されている、ということはわかる。しかしそれでは、自分は日々の生活の中で「多様性」を無視せずに行動できているのか。そもそも多様性を無視しない行動とは何なのか。

 つい先日、こんなことがあった。英国情報誌モノクル(MONOCLE)が発表した2014年版の「世界でもっとも住みやすい25都市ランキング」のベストテンに日本の都市が3ヵ所もランクインした。2位東京、9位京都、10位福岡だという。

 ちなみに1位はデンマークのコペンハーゲン。この調査結果を元に、「外国人にとってなぜ日本が住みやすいのか」を調べるという記事を書くことになったのだ(結果的に、この企画はわけあってボツになった)。

 そこで知人男性の結婚相手であるスコットランド出身の女性に取材を申し込んだ。「東京に暮らしている外国人として、暮らしやすさと暮らしにくさを教えていただけませんか」と。

 1回だけ会ったことのある彼女から、知人男性を通して帰ってきた答えはこうだった。「10年も住んでいるからちょっと感覚が違っているし、私はあんまり『外国人枠』としてとらえられるのが好きじゃない」。

 反省した。「ガイジン」と言われることが好きではない人がいることや、日本での外国人扱いにうんざりしている人がいることは知っているつもりだったのに。私が、彼女からそう断られる可能性をもっとよく考えておけば、慎重に言葉を選んだはずだ。もちろん慎重に言葉を選んでも断られたかもしれないが、そうしなかったことは反省点だ。

 日本人妻とアメリカ人夫との暮らしを描いた『ダーリンは外国人』という漫画がある。著者は小栗左多里さん。この中に、夫のトニーさんが日本に来て驚いたエピソードとして、「初対面の人から『外国の方ですね』と言われることがある」というものがあった。多人種、多国籍の国では、外見だけで「外国人」と判断されることがない。日本では、ひと目見ただけで外国人かどうかを判断されてしまう場合が多い。同じアジア人以外の場合は特にそうだろう。

 2015年のミス・ユニバースに選ばれた宮本エリアナさんはアフリカ系米国人の父と日本人の母との間に生まれたハーフ。応募のきっかけはハーフの友人男性が自殺したことで、それ以前に大会への出場を誘われた際に、彼女はハーフだからという理由で断っていたのだという。代表に選ばれた彼女を応援する声も多いが、一方で「美しいが、日本人代表としては疑問」など、残念な声もあった。日本が未だに多様性を認めない国であることを彼女は証明し、問題提起した。

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小川たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役]

1980年・東京品川区生まれ。フリーランスとして活動後、2008年から下北沢の編集プロダクション・プレスラボ取締役。働き方、教育、ジェンダー、性犯罪などを取材。ツイッターアカウントは@ogawatam


小川たまかのダイバーシティ・ホンネとタテマエ

今、注目度が高まっている「ダイバーシティ」という概念。多様化・多様性に対して、賛同する意見が多い一方で、否定的な見方があるのも事実。特に日本企業内で取り入れられる場合に、「女性の働き方」の代名詞でも使われることが多くなっている。何か問題が起こったとき、男性を始め、当事者以外の人は実はどう感じているのか?そこから見える日本社会の姿とは?
「ダイバーシティ」をタテマエだけでなく、多彩な角度・観点から本音で論じる。

「小川たまかのダイバーシティ・ホンネとタテマエ」

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