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シンプルに考える
【第19回】 2015年6月30日
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森川亮

LINE(株)CEOを退任した森川亮氏が明かす!
会社を「動物園」にしてはならない!

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「あれも大事、これも大事」と悩むのではなく、「何が本質なのか?」を考え抜く。そして、本当に大切な1%に100%集中する。シンプルに考えなければ、何も成し遂げることはできない――。LINE(株)CEO退任後、ゼロから新事業「C CHANNEL」を立ち上げた森川亮氏は、何を考え、何をしてきたのか?本連載では、待望の初著作『シンプルに考える』(ダイヤモンド社)から、森川氏の仕事術のエッセンスをご紹介します。

幸せの先に、幸せはない

 

 ハンゲーム・ジャパン株式会社に入社して4年後──。

 僕は社長を任されることになりました。当時、僕はひそかに危機感を抱いていました。というのは、入社したころと会社の状況が一変していたからです。

 僕が入社したころは約30人の赤字会社でした。だから、みんなが必死になって働いていました。そして、わずか4年で日本のオンライン・ゲーム市場でナンバーワンになったのです。

 そこで、何が起こったか?

 みんなが、幸せになってしまった。給料が増えて、結婚をして、子どもをつくり、家を買い、そして早く帰るようになった。もちろん、それはいいことです。しかし、僕は「危ない」と思いました。なぜなら、年功序列的な給与制度だったからです。

 このまま会社に残れば、エスカレーターのように自動的に上がっていける。そう考えた人たちは、かつてユーザーに認められようと目をギラギラさせながら働いていた野性的な姿が失われ、牙を抜かれたようになってしまった。まさに「動物園状態」が生まれつつあったのです。

 やっぱり、人間は弱い……。

 そう思わずにはいられませんでした。人は一度幸せになると、それ以上を求めなくなる。自分の身を削ってまでユーザーに尽くそうと思う人はほとんどいないのです。

 もちろん、競争のない社会であれば、それでもいいのかもしれません。手にした成功を守り続けることさえできれば、幸せのままでいられるのかもしれない。しかし、ネット業界は変化のスピードが速く、競争も激しい。常に、新しい「価値」をつくり続けなければ、あっという間にユーザーに見放されてしまいます。

 この世の中は、求める者と与える者のエコシステムです。だから、ユーザーに喜んでもらった結果、会社が潤い、社員も豊かになるという循環を回し続けることがいちばん大事。会社を「動物園」にしてはならないのです。動物園に安住して、エコシステムに適合できなくなったときに幸せは簡単に失われてしまいます。幸せの先に幸せはないのです。 

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森川亮 

1967年神奈川県生まれ。1989年筑波大学卒業後、日本テレビ放送網に入社。幼少時から一貫して音楽を続けてきたこともあり、音楽番組の制作を希望するもコンピュータシステム部門に配属。本格的にコンピュータを学ぶ。インターネットの登場に刺激を受け、ネット・ビジネスに傾倒。ネット広告や映像配信、モバイル、国際放送など多数の新規事業立ち上げに携わる。仕事のかたわら青山学院大学大学院にてMBAを取得。2000年にソニー入社。ブロードバンド事業を展開するジョイントベンチャーを成功に導く。2003年にハンゲーム・ジャパン株式会社(後にNHN Japan株式会社、現LINE株式会社)入社。4年後には日本のオンライン・ゲーム市場でナンバーワンとなる。2007年に同社の代表取締役社長に就任。2015年3月にLINE株式会社代表取締役社長を退任、顧問に就任。同年4月、動画メディアを運営するC Channel株式会社を設立、代表取締役社長に就任した。


シンプルに考える

「あれも大事、これも大事」と悩むのではなく、「何が本質なのか?」を考え抜く。そして、本当に大切な1%に100%集中する。シンプルに考えなければ、何も成し遂げることはできない――。LINE㈱CEO退任後、注目の経営者がはじめて明かす「仕事の流儀」!

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