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メディア激動時代を読む 山口一弥

NHKが日本の放送メディア・ビッグバンの引き金をひく日

山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]
【第9回】 2008年4月3日
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 4月1日から施行された改正放送法で民放局に認定持株会社への移行が認められ、フジテレビとTBSがその意向を示していることは前々回の本稿で紹介した。その改正放送法は民放だけでなくNHKにも及んでおり、NHKに対してネット配信事業と海外向け国際放送事業の2つを認めた。

 それを受けて、NHKが12月より番組有料配信サービスを行うことと、海外に英語で国際放送を行う子会社を4月に設立することが明らかになってきた。

 新サービスの「NHKオンデマンド」はアクトビラやJCOMを通じて、テレビ向けや、NHKの専用ポータルからパソコン向けに各々人気番組を配信する。放送日翌日から10日間、また過去番組は1000作品揃える検討をしているという。課金額に関しては月額1500円前後、番組ごとでは1作品300円前後の見通しという。

 また、全世界にむけて英語でテレビ国際放送を行う子会社が4月1日に設立された。やはりインターネットを活用して世界に配信するというが、秋に本格的に事業を始める際に、採算確保のために広告の導入も検討するとの報道もある。

メディア・ビッグバンは
NHKから起こる?

 「メディア・ビッグバンはNHKから起こる」と、かねてより主張している放送業界関係者がいる。NHKのネット配信によって日本の放送の秩序が一気に崩れる可能性があるというのだ。

 どういうことを想定しているのだろうか。映像のネット再配信のビジネスは、基本的には課金制か広告による無料配信の2つである。課金はいわばレンタルビデオ屋で気に入った作品にお金を払うのと同様なビジネス。広告による無料配信は番組を電波塔を通じた電波でなく、インターネット回線を通じて見ることに置き換えるビジネスだ。

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山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]

立教大学卒。広告会社を経て、新聞社勤務。新聞広告、インターネット広告等の営業を担当。2006年から2007年にかけてコロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員。


メディア激動時代を読む 山口一弥

インターネットは新聞・放送といった既存メディアの在り方をも変えつつある。メディアの世界で、今、何が起きようとしているのか、その最前線を追う。

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