一つ目が、国内で2000万人を超えたあたりから、急速に勢いを失っているユーザー数の伸びだ。公式の月間ユーザー(MAU)数は現在2300万人と発表されているが、人口に対する普及率は20%ほどで横ばい状態。

 しかも、昨年秋に放映したテレビCMが惨敗だったことは社内でも共通認識になっている。四半期ごとに20%近い高成長を続けてきた広告売上高も、この4~6月期は約120億円と大幅に目標値を下回ったようだ。「このままのユーザー数なら、今後は一般企業と同じような成長スピードになる」と業界関係者は危惧する。

 二つ目が、組織のきしみだ。13年5月に初めて日本代表の座に就任した岩下充志氏が、今年1月には休暇を取得し、営業担当幹部と共に3月末に会社を去った。

「風通しの良さを重視している会社のカルチャーに合わず、最後は本社から降格を迫られた」(同社関係者)のが原因というが、十分なあいさつ回りもない急な“更迭”に、取引先には動揺が走った。

 三つ目が、ナショナルクライアントと呼ばれる大手企業や、そこに寄り添う大手広告代理店との信頼関係の悪化だ。

 過去フェイスブックは、企業側が「いいね!」を多く集めることで、ファンとコミュニケーションが図れると説明してきた。そのため企業側は「いいね!」を集める広告に投資をしてきた。ところが昨年からアルゴリズムの変更によって企業による投稿の表示頻度が激減、時間とカネが水泡に帰した一部企業は不信感を抱いた。

 見誤ってはいけないのは、ありとあらゆる個人データを大量に蓄積しているフェイスブックは、極めて良質なデジタル広告を出稿できる随一のプラットフォームであるという点だ。年齢や性別、興味関心などにより分けてターゲティングをした場合、狙った通りの人物像に広告が届けられる精度は96%超と驚異的な正確性を誇る。

 米シリコンバレーの本社には、世界トップクラスのエンジニア集団がそろっており、アドテクノロジー(広告技術)の分野では誰もが注目する先端企業である。

 ただ、それだけで勝者が決まらないのが広告産業の複雑さだ。国ごとのメディアの特性、国民の趣味嗜好、そして商習慣を無視すれば、最先端のテクノロジーも無用の長物だ。人々のライフスタイルも目まぐるしい速さで変化する。

 当のフェイスブック自身も、3年後には傘下のインスタグラムの国内利用者数が、本家フェイスブックを超えると試算しているのだ。