「量産機になるな。」で謎の炎上事件発生

 学校法人・専門学校HAL(ハル)は2015年5月末、生徒自身が作成した動画を公開しました。モビルスーツ(*1)同士の生死を賭けた市街戦です。

メッセージは “量産機になるな。”

サラリーマンよ、量産機になるな。赤ザクになろう「HAL名古屋」があるモード学園スパイラルタワーズ

 動画内では、ちょっと格好いい試作機(プロトタイプ)が、ちょっと地味な量産機を次々に倒していくのですが、ネットでは「量産機なめんな!」「俺たちはジムだ。文句あるのか」という謎の炎上が起こりました。

 ジムは『機動戦士ガンダム』で登場した地球連邦軍の主力量産機モビルスーツです。試作品であったガンダム(*2)をもとに、装甲材を量産向き素材に替え(ルナ・チタニウム合金→チタン合金)、コックピットを変形型(コア・ファイター)からブロック形にし、装備兵器を簡素化しました。派生機も含め、延べ3800機以上が生産されました。

 確かに、最終的にジオン公国軍を圧倒したのは、ガンダムたち英雄(試作機)の活躍ではなく、生産力にまさる連邦軍の物量作戦であったのでしょう。高性能で低コストの量産機ジムはその象徴でした。

 若者向けキャリア論である『僕たちはガンダムのジムである』にも、“世の中は1%の「すごい人(ガンダム)ではなく99%の「その他大勢(ジム)」が動かしている”と書いてあります。

 なのに「量産機になるな」とは、なんと失礼な。

*1 有人操縦式の人型機動兵器。要は人が乗って操縦するロボット兵器。マジンガーZと同じ。
*2 アムロが乗っていたのは型式RX-78-2。頭頂高18m、本体重量43.4t。