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ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

「優秀だけど英語ができない人」に学ぶ
伝わる英会話の極意

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第28回】 2015年7月8日
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「優秀な人ほど英語が堪能」は嘘
英会話能力よりも大切なものとは?

 本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかにブラックな職場をつくり上げていくか、心理学の研究をベースに解説している。今回のダークサイドは日本人の持つ「恥の文化」である。

 このところ、日本の企業の方々にあってお話を伺う機会が多い。もちろん筆者自身の研究のためなのだが、その研究プロジェクトには、外国人も入っているため、基本は英語での会話になる。

 読者の皆さんが、海外からの研究者が英語でお話を伺いたい、と申し出て来たら、どう感じるだろうか。「全編英語はちょっと…」と思う人も多いかもしれない。事実、企業でお話を伺う際にも、英語力に自信のある人ならば受け入れてくれるが、そうでない人は、最初は二の足を踏むことが多い。筆者が通訳するので日本語でも大丈夫と伝えて、やっと了承していただくこともしばしばだ。

仕事は極めて優秀だが、英会話能力がさほど高くない人が取る言動とは?

 だがそうやって多くの人にインタビューをしていくと、意外なことがわかった。お話を伺うのは、老若男女問わず、企業の一般社員からエグゼクティブまで、さまざまな人がいるが、その中で、特に優秀だと感じた方々に共通するものがあった。

 それは「優秀な人ほど英語が堪能」というような、短絡的なものではない。彼らの英語会話能力が高いかというと、決してそうではない。

 ある新興企業のエクゼクティブにお話を伺ったときのことだ。彼はまだ30代前半、友人とともに起業して数年目である。業界ではすでに名の知れている人で、会社も今現在躍進中だ。そんな伸び盛りの企業なので、社内の雰囲気もポジティブで明るい。夜の比較的遅い時間に伺ったにもにもわらず、会議室はすべて使われていて、なかなかインタビュー場所が見つからなかったほどだ。

 そんな会社の中枢にいる彼は、これまでお話を伺った中でも、突出して優秀だと感じた。彼は会社のビジョン、それを実現するまでの戦略、およびその戦略を随時修正するやり方、そして社内全体への目配せなど、30歳そこそことは思えない聡明さと視点を持っていた。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。社員を疲弊させる企業が台頭する日本社会では、「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。本連載では、毎回世間で流行っているモノ、コト、現象、ニュースなどを題材として取り上げ、筆者が研究する「ニューロビジネス」的な思考をベースに、主に心理学や脳科学の視点から、その課題を論じていく。あなたは組織の「黒い心理学」を、解き明かすことができるか。

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