ウォレン・ベニスのキャリアは極めて広範囲にわたっている。
彼は、教育者、著作家、管理者、コンサルタントとしてのキャリアを持ち、さまざまなトピックに関するたくさんの本を著した。彼は、小集団での力関係、社会システムの変化、Tグループ、感受性トレーニングといった分野において高く評価される研究を成し遂げた。
また1960年代には、未来学者として世間に認められるようになった。ベニスはリーダーシップに関する最初の論文を1959年に発表。
『リーダーシップの王道』(Leaders)が発刊された1985年以降、この分野における権威として広く認知されている。
人生と業績
ベニスは1925年にニューヨークで生まれ、アンティオクカレッジとマサチューセッツ工科大学(MIT)で学んだ。第二次世界大戦では陸軍に従軍し、最年少の歩兵将校としてヨーロッパ戦線に参加した。その後グループダイナミクスを学び、1950年代には全米教育訓練研究所(US National Training Laboratories)でチームワーク実験に従事した。彼の初期の研究分野は組織開発であった。ベニスはダグラス・マグレガーと彼のモチベーション理論「Y理論」の熱心な信奉者であった。現実にベニスはマグレガーととても親しく、彼に多大な影響を受けた。彼のキャリアもある程度はマグレガーのあとをたどったようなものだ。最初は彼がアンティオクカレッジの学生だったときで、マグレガーはそのカレッジの学長だった。その後1959年に、組織研究の学部を新設するためにマグレガーにMITに引き抜かれた。ベニスは1960年代の終わりからしばらくのあいだ研究と教育から離れ、管理者として働いた。1967年にニューヨーク州立大学(SUNY)の学長になり、1971年にはシンシナティ大学学長のポストについた。