中間管理職の憂鬱写真はイメージです Photo:PIXTA

「評価に納得してもらえない」「厳しいフィードバックをするのがしんどい」――そんな悩みを抱える中間管理職は少なくありません。

ジョブ型雇用への移行が進む中で、マネジャーに求められる「評価力」。「崩壊するチーム」と「伸びるチーム」の違いをひもときながら、信頼される評価のあり方と、今日から実践できるフィードバックの工夫を紹介します。(mento代表取締役、ビジネスコーチ 木村憲仁)

ジョブ型移行で変わる評価制度
マネジャーに問われる“評価力”

 これまでの日本企業では、「メンバーシップ型雇用」が主流で、年功序列を前提とした“横並び”の評価が一般的でした。多くの企業でMBO(目標管理制度)が導入されていたものの、個人の評価が給与やボーナスに影響を与えることは少なく、評価に対する意識は低かったといえます。評価するマネジャー側も、評価されるメンバー側も、“なあなあ”で済ます文化に慣れていたのです。

 しかし近年、人口減少による人材不足と、それに伴う中途採用の増加で「ジョブ型雇用」への移行が急速に進んでいます。

 求められているのは「人に仕事をつける」から「仕事に人をつける」へのシフト。つまり、“仕事そのもの”を定義し直し、「どんな仕事に、どんな人材が必要なのか」を明確に言語化しなければ、もはや人を採用できない時代になっているのです。

 こうした変化の中で、マネジャーに求められる役割も大きく変わりました。