「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「やった感」と成果は別物です
資料を作った、会議に出た、メールを返した……。
これらは「活動」であって「成果」ではありません。
にもかかわらず、仕事が伸びない人ほど、この活動量をもって「自分はやっている」と思い込みます。
これは、「やった感」の自己暗示です。
評価が伸びないのは、努力が足りないのではなく、努力が成果に変換されていない構造を放置しているからです。
共通点1:ゴールが曖昧なまま動いている
「とりあえず前回の続きで」「一旦ドラフトを」など、完了条件を定義せず進める人は高確率で迷走します。
ゴール不明の仕事は、いつ終わったかも判断できません。
上司が求めているのは「何をもって完了とするか」を事前に握ることです。
開始前に「目的」「使途」「完了基準」を一行で共有するだけで、手戻りは激減します。
共通点2:数字を計測していない
「そこそこ進んでます」
「わりと反応良さそうです」
といった感覚依存は最悪です。
進捗率、件数、所要時間、コスト、成果率……。
測れる数字はいくらでもあります。
測らない限り、努力と成果の因果は見えません。
「数値化の鬼」的発想で、まずは粗くても構いませんので測定軸を設定し、前後比較をつくりましょう。
共通点3:検証ループが存在しない
完了後の振り返りをしない人は、同じミスを繰り返します。
行動→結果→原因→改善という最小ループを回さない限り、能力は積み上がりません。
再現可能なやり方に落とし込んで初めて「組織の資産」になると考えます。
振り返りが仕組み化の入口です。
仮面をかぶって、数字と仕組みで現実を見る
内心「頑張っているのに」と思うときほど危険です。
感情を脇に置き、仮面をかぶって数字を直視し、ゴール定義→計測→検証の仕組みを淡々と回しましょう。
「できているつもり」を卒業した人から、評価と結果は連動し始めます。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計170万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。