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いまこそ読みたい! ダイヤモンド社100年100冊
【第78回】 2015年7月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

ビットコインは広まるか?
仮想通貨の実態を多角的に論じた良書
『仮想通貨革命――ビットコインは始まりにすぎない』

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マウントゴックスの破たん(2014年)で一躍有名になったビットコイン。日本ではあまり流通していないため、その仕組みはほとんど理解されていませんが、発行主体の存在しない自生的な通貨がコンピュータ・ネットワークの中から登場したのです。経済史上、画期的なことです。今回ご紹介する『仮想通貨革命』は、仕組みから意義まで詳しく論じられている解説書です。その中身をちょっとだけご紹介します。

経済学・情報科学・社会学の
観点から仮想通貨を論じた画期的な書

野口悠紀雄著『仮想通貨革命』2014年6月刊。「中央銀行なしでも通貨は機能する」というコピーが刺激的で目を引きます。

 海外へ送金した経験のある人ならばご存知でしょうが、手数料の法外な高さには驚かされます。本人確認が重要なことはわかりますが、さんざん待たされたあげく、メガバンクでは数千円を送金するために数千円の手数料を取られてしまいます。

 クレジットカードで支払い1回ならば手数料はないはずですって? いや、カード加盟店は手数料を支払っているのです。このコストは商品・サービスの料金に含まれているはずですから同じことです。けっきょく利用者は高い手数料を取られています。たかが電子化された記号を送信するだけなのに。

 これは、通貨が国家独占で、取り扱う銀行業界に新規参入者が少なく、競争がないためです。あるメガバンクが海外送金のウエブによる取り扱いを始めたというのでさっそく行くと、なんとウエブで申込書へ記入し、それをプリントして窓口に持参することになっていました。かえって手間が増えていたので閉口したことがあります。

 こうした疑問と不満は、仮想通貨の登場によって解消されます。普及すれば、ですが。

 ビットコインに代表される仮想通貨は、少しずつ広がっています。仮想通貨はまったく想像を絶するアイデアによって誕生した通貨です。

 本書『仮想通貨革命』の経済学的、情報科学的、社会学的な分析によって初めて包括的な理解が可能となりました。理論経済学、コンピュータ科学、そして金融に詳しい野口悠紀雄さんにして初めて可能となった書物です。

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坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。


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