ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
トンデモ人事部が会社を壊す

ジョブホッパーで何が悪い?
「転職は3回まで」ルールの無意味

山口 博
【第28回】 2015年8月11日
1
nextpage

半年や1年で転職し、転職回数が数回を超える人を、人事の世界ではジョブホッパーと呼ぶ。中途採用の現場ではジョブホッパーは忌み嫌われるが、本当に彼らを採用すべきではないのか?私は、全く逆の考えを持ち、ジョブホッパーを採用してきた。

なぜ嫌われるのか?
採用現場で敬遠されるジョブホッパー

 「ジョブホッパー」――明確な定義はないが、半年や1年など短期間で転職し、転職回数が5、6回を超えるビジネスパーソンを、人事部は「ジョブホッパー」と呼ぶ。ジョブホッパーは、中途採用市場で敬遠される。そもそも「面接する時間も無駄だ」と、中途採用の募集要件に転職回数3回以内などという要件をつけて、ジョブホッパーを採用検討対象から排除する企業が多い。

 ジョブホッパーに対する懸念としては、次の3点を挙げる採用担当者が多い。(1)過去の経歴から見て、今回も長期勤続が見込めない、(2)ロイヤリティが足りないからマネージしづらい、(3)キャリア形成ができていない――。

こらえ性がなく、キャリア形成もできていない。ジョブホッパーはそう判断されがちだが、むしろ百戦錬磨のキャリアを積み、企業に大きな貢献をしてきた人もかなりいる

 果たしてこれは本当だろうか?ジョブホッパーは問答無用で、採用検討対象から排除すべきなのだろうか?私は、これらの懸念事項のいずれも間違っており、採用検討対象から決して排除してはならないと考える。その理由を紹介していきたい。

 確かに、在籍期間が短く、転職回数が多いからジョブホッパーと呼ばれるわけで、そう呼ばれない人に比べて、すぐ辞めてきたと言える。

 しかし、だからといって、採用検討対象から、ハナから外すべきだろうか。極端な例であるが、勤続期間は長いがパフォーマンスが上がっていない人と、勤続期間は短いがパフォーマンスを上げた人とで、どちらが会社に貢献していると考えるべきだろうか。明らかに後者ではなかろうか。

 にもかかわらず、過去の職歴の勤続期間の長さで、採用検討対象かどうかを決めるということは、相変わらずパフォーマンスではなく、勤続期間の長さで評価するという考え方から、抜け出ることができていないのではないかとの危惧を禁じ得ない。

 私は今後、さらに雇用形態は多様化し、数年の間にフリーランスが急増するとみている。最も市場の動きに敏感であるべき人事部採用担当者が、中途採用の現場で相変わらず勤続期間の長さで評価するというような時代遅れの発想に留まっているとすれば、問題は深刻である。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
ビジネスプロフェッショナルの方必見!年収2,000万円以上の求人特集
ビジネスプロフェッショナルの方必見!
年収2,000万円以上の求人特集

管理職、経営、スペシャリストなどのキーポジションを国内外の優良・成長企業が求めています。まずはあなたの業界の求人を覗いてみませんか?[PR]

経営課題解決まとめ企業経営・組織マネジメントに役立つ記事をテーマごとにセレクトしました

クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

注目のトピックスPR

話題の記事

山口 博

やまぐち・ひろし/慶應義塾大学法学部政治学科卒(サンパウロ大学法学部留学)、長野県上田市出身。国内大手保険会社課長、外資系金融保険会社トレーニング・シニア・マネジャー、外資系IT人材開発部長、外資系企業数社の人事部長、人事本部長歴任後、現在、コンサルティング会社のディレクター。横浜国立大学大学院非常勤講師(2013年)、日本ナレッジ・マネジメント学会会員。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある。

 


トンデモ人事部が会社を壊す

サラリーマンの会社人生のカギを握る人事部。しかし近年、人事部軽視の風潮が広まった結果、トンデモ人事部が続々と誕生している。あっと驚く事例をひもときながら、トンデモ人事部の特徴や、経営陣がすべき対処法などを探っていく。

「トンデモ人事部が会社を壊す」

⇒バックナンバー一覧