そもそも上場株式に対する投資もしていないし
銀行、保険、郵便、どれも将来有望とは思えないし
A.そもそも、最近私は上場株式には投資をしていません。私にとって、未上場のまだ若い会社に対するスタートアップ投資のほうが、リターンも明らかに大きいし、経営面にもある程度は自分でコントロールができるので、確実性も高いからです。
そのため、今回の旧郵政グループの新規上場は、特に興味がありません。
ゆうちょ銀行やかんぽ生命は、これまでは国の暗黙の保証があるから利用していたという顧客も多く、また資金の運用対象も、かつては財政投融資向け、現在はほとんどが国債を買うだけ。一般の民間の金融機関のような運用のノウハウの積み上げはありません。
日本郵政に至っては、郵便はインターネットの普及で尻すぼみだし、物流事業もヤマト運輸や佐川急便と比べて、サービスや価格面で優位性があるとは思えません。
頼みの綱はM&Aによるグローバル展開ということになりますが、現在の経営陣をみると、例えばドイツの郵政会社であるドイツポストのような積極的なグローバル展開ができるメンバーが現在の経営陣には見つかりません。それも将来に対し期待感を持てない一因です。
したがって、私は旧郵政3社に対する投資は考えていません。とはいえ、もし、投資をお考えの方がいらっしゃれば、自己責任で投資をされるのはそれでよいですが。
目的は検索と他事業との分社化
将来は検索事業を手放す腹づもりかな
A.どうといっても、特に珍しくないごく普通の判断ではないでのしょうか。
事業の将来性という観点からいえば、検索事業は今後大きな成長が見込める事業ではありません。ただし、現在の主力事業であるからには、そこのオペレーションを優秀な人に任せようというのは、誰でも考えることでしょう。
CEOを譲る、と表現されていますが、その「譲る」の意味がよくわからない。
今回の改革は、持株会社のアルファベットが、その傘下に検索エンジンのグーグルを持つということです。つまり、グーグルを譲ったのではなく、創業者は直接ではなく、持株会社のCEOとして間接的にコントロールできるよう機構を改めただけで、グーグルからきれいさっぱり身を引いてしまうわけではありません。むしろ、現在の状態を特に大きくは変わらないと考えた方がよいでしょう。
つまり、今回の改革は、変貌というよりは、今後検索のグーグルと肩を並べる程度の事業に育ちそうな自動運転車技術や遺伝子関連技術などに関して、膨大な資金を投入しながらも、小規模な組織でスピード感をもって経営していくための、企業内の分社化が実態だと思います。
将来的には、検索エンジン事業をスピンオフすることも、すでに十分に視野に入っていると思いますね。