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小宮一慶の週末経営塾

なぜ、人は「セブン-イレブン」に行きたくなるのか?

小宮一慶
2015年8月29日
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1店舗あたりの売り上げが
他社より2割多い理由

 経営においては「徹底」がとても大切です。皆さんもよくご存じのコンビニ業界を例に出し説明しましょう。

 小さな行動を「徹底」し、「継続」したことで、競合他社との業績を大きく引き離しているのが、セブン-イレブンです。セブン-イレブンは、現在、日本国内に約1万8000店舗ありますが、1店舗あたりの毎日の売り上げが、他のライバル店に比べて2割も多いのです。毎日2割違うのです。セブン-イレブンが約60万円台なのに対し、他のコンビニチェーンは50万円台前半のところがほとんどです。

小宮一慶 小宮コンサルタンツ代表

 でも、考えてみればけっこう不思議です。どのコンビニに行っても、本や雑誌が並び、日用雑貨が用意され、お菓子や食品、飲料が並ぶコーナーがあります。「どこで買っても似たようなもの」になってもおかしくないですよね。コンビニエンスストアでは、成功のためのキーワードが4つあると言われています。「品揃え」「鮮度」「クリーンリネス(店の美しさ)」「フレンドリーサービス」で、この4つがキーワードであることはどのコンビニも十分に承知しています。そして、それを実行している。

 でも、売上高には歴然と差があるのです。

 セブン-イレブンのおにぎりって他のコンビニよりもおいしいと思いませんか? 以前、同社の役員さんから聞いた話ですが、おにぎりのお米は主に魚沼産のコシヒカリを使っていますが、バイヤーが田んぼの日当たりまで確認し、業者がお米を炊くときも米の芯の温度までチェックしているそうです。

 サンドイッチもそうです。私は、セブン-イレブンの「シャキシャキレタスサンド」というハムとレタスのサンドイッチが好きなのですが、その名の通り、レタスのシャキシャキ感が、他のコンビニのサンドイッチとは全然違うと思います。すごくおいしい。

 おにぎりにしてもサンドイッチにしても、他のコンビニにも同じようなモノは売っている。でも、ちょっとしたことが全然違うから、お客さまは「セブン-イレブンのおにぎりやサンドイッチだから食べたい」と思い、他店より少し遠くても、セブン-イレブンまで足を延ばしてでも買いたいと思う人が出てくるのです。

 これは、商品に限ったことではありません。お店の前に置いてある灰皿も、店長がマメにチェックしているせいか、セブン-イレブンは他のコンビニよりもきれいになっていることが多いように思います。

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小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


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経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

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