ファミマ、ユニー統合に立ちはだかる2つの“懸念”経営統合に向けた交渉入りを発表してから5カ月。課題は山積している Photo by Hiroyuki Oya

 ファミリーマートと、サークルKサンクスを抱えるユニーグループ・ホールディングスとの経営統合の基本合意が、9月以降に延期される見通しになった。2016年5月の株主総会での承認を経て、同年9月に統合完了という予定に変更はないが、協議を本格化して以降、新たな懸案事項が出てきたためだ。

 かねて、ユニーの本業であるGMS(総合スーパー)の立て直しや、ブランドの一本化など課題は指摘されていたが、これは当初から分かっていたこと。ここにきてファミマ内部から懸念の声が上がっているのが、ばら色に見えたコンビニエンスストアの統合がもたらすメリットである。

 その一つが、コンビニの店舗改装費用。ファミマはこれまで冷蔵ケースといった店舗設備への投資を積極的に進めており、「サークルKサンクスと比べて、かなり差がついている」(ファミマ関係者)。

 このため、一般的な店舗改装費用は1店舗当たり1000万円程度だが、サークルKサンクスを“ファミマ仕様”に改装した場合には、1500万円程度掛かるという試算もあるのだという。

 約6300店あるサークルKサンクスの店舗を全て改装した場合、単純計算で約950億円に上る。それだけの投資に見合った効果が果たして得られるのか、ファミマ側に疑念が生じているのだ。