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「グレートカンパニー」の条件
【第6回】 2015年9月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
リッチ・カールガード,野津智子 [翻訳家]

最適のチームメンバーの数を決める簡単な方法

『フォーブス』誌発行人を務め、連続起業家でもあるリッチ・カールガードは「成功し続ける企業」の5つの条件を、ウォール街からシリコンバレーまで全米企業への徹底取材から明らかにした。本連載は『グレートカンパニー――優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件』からそのエッセンスを紹介する。第6回は、最適のチームメンバーの数を決める方法がテーマだ。

10人前後のチームが「基本的」にはベスト

 機敏で革新的であり続けようとする企業が増えるにつれ、10人前後のチームが、ほどよい大きさで、高い業績を最もあげやすいことがわかってきた。
 アマゾンの創業者でCEOのジェフ・ベゾスはこれを「2枚のピザ」ルールと呼び、開発チームはピザ2枚を食べきれる人数であるべきだと述べている。

 ただ、この呼び方を考え出したのはベゾスではなく、1970年代にパロ・アルト研究所(PARC)で初めて使われたようである。
 パロ・アルト研究所が1970年代に、現代のコンピュータに関する柱のうち三つ──グラフィカル・ユーザー・インターフェース、ページ記述言語、ローカルエリア・ネットワーク──を発明したことを思い出してみよう。これだけでも、「2枚のピザ」ルールはぜひ心にとめるべきだと考える十分な理由になるだろう。

 「2枚のピザ」ルールを使う表面的な理由で最も多いのは、このルールに従えばチームをきわめて機動的にし続けられるということだ。フットワークが軽くなるのはたしかだ。しかしもう一つ、もっと深い理由がある。メンバーが10人前後であるほうが、他のメンバーを気遣いやすいのである。

 10人前後だと、情報もはるかに共有しやすい。互いに助け合うこともずっと多くなる。重要なミッションの場合なら、自分を犠牲にすることもあるだろう。アメリカ陸軍特殊部隊は12人編成のアルファ作戦分遣隊を最小単位としているが、驚くにはあたらない。兵士は仲間を守るためなら手榴弾に自分の身を投げかけることも厭わない。

 こうした行動が生まれるのはビジネスでも同様である。
 少人数のチームでは、マーケティング担当のメンバーが、たとえ深夜になっても、他のメンバーがプレゼンに磨きをかけるのを手助けする。エンジニアは、製品が完璧な状態で発売できるよう、最後の最後まで協力を惜しまない。

どんな状況でも使える
「-1」ルール

 このような結束はチームの規模が大きくなるにつれて弱くなる傾向がある。100人いてもある程度は他のメンバーを気遣うかもしれないが、心の底からというわけではない。それだけではなく、チームの結束力が逆に厄介な問題になってしまうのだ。

 そのため、いつも次のように問うことが重要だ。
「チームメンバーが何人いれば、仕事を完遂できるだろう」。取材を重ねるなかで耳にしたアドバイスをまとめると、こうなる。

 「必要だと思う最少の人数まで削り、そこからさらに一人減らすこと」。

 「マイナス1」の考え方はマネジメントの第一人者、トム・ピーターズから聞いたのが最初だったが、この考え方に従ってチームをつくると、残りのメンバーが否応なくクリエイティブになる

 まずはここから始めよう。無駄をなくし、貪欲に
 たとえ管理できると思っても、12人より少なくすること。増やすことはあとでいつでもできるのだ。

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リッチ・カールガード [フォーブス誌発行人]

 

『フォーブス』誌発行人、人気コラムニスト。アントレプレナーとしても数多くの起業を成功させている。ベンチャー投資家。2004年に刊行された『Life2.0』は『ウォールストリート・ジャーナル』紙でビジネス書・ベストセラー・リストに入った。起業家としては『アップサイド』誌や、ガレージ・テクノロジー・パートナーズ社、チャーチル・クラブを共同で創設している。アーンスト&ヤング社のアントレプレナー・オブ・ザ・イヤーを受賞。スタンフォード大卒。シリコンバレー在住。

 

野津智子 [翻訳家]

 

獨協大学外国語学部フランス語学科卒業。主な訳書に『リチャード・バンドラーの3日で人生を変える方法』(ダイヤモンド社)、『仕事は楽しいかね?』(きこ書房)、『チームが機能するとはどういうことか』『シンクロニシティ[増補改訂版]』(ともに英治出版)、『夢は、紙に書くと現実になる! 』(PHP研究所)、『外資系キャリアの出世術』『スタンフォード・インプロバイザー』(ともに東洋経済新報社)などがある。


 


「グレートカンパニー」の条件

『フォーブス』誌発行人であり、連続起業家・人気コラムニストでもある著者が、シリコンバレーからウォール街まで全米企業を徹底取材!フェデックス、SAP、ネストラボ、スペシャライズド……本連載では、現代において生き残る「成功し続ける」企業の強さの秘密が明らかにしていきます。コストやサプライチェーンといった「数字」で表すことのできる要素以外の部分にこそ永続企業の競争優位は存在するのです。

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