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稲盛和夫経営講演選集(公開版) 「経営の父」が40年前に語っていたこと
【第2回】 2015年9月15日
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稲盛和夫

稲盛和夫が語る「企業家精神」【第2回】
――アメリカ進出とアポロ計画の部品受注

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稲盛和夫が語った起業の「原点」とは――。京セラとKDDIという2つの世界的大企業を創業し、JAL再建の陣頭指揮を執った「経営の父」稲盛和夫氏。その経営哲学やマネジメント手法は世界中に信奉者を持つ。
今回、『稲盛和夫経営講演選集』(第1~3巻)発刊を記念し、1976年に起業時の経験を語った貴重な講演録を、全5回に分けて掲載する。第2回は、京セラ米国発展のエピソード。苦難の末に受注した最初の案件とは?

毎晩泣きながらアメリカ中を回って
1つも売れなかった

 会社をつくって4年目のことをお話ししたいと思います。私どもは、電子工業の最先端を行く製品をつくっていました。しかし、京セラという、資本系列もなければ名前も知られていない会社がつくったものは、大手の電子工業メーカーに採用してはもらえませんでした。

1959年、会社正門に立つ創業時の稲盛和夫氏。

 どこの会社がつくっても変わらないような部品ならば別ですが、うちがつくっていたのはブラウン管テレビの電子銃やコンピュータの心臓部に使う重要な部品ですから、「名もない会社がつくったものでは信用が置けない」と言われて、なかなか使ってもらえませんでした。注文をとりに何回も足を運びましたが、門前払いを食らいました。

 私は「このままではいけない」と強く思い、アメリカに製品を売りに行くことにしました。日本の電子工業界は、戦後アメリカから電子工業の技術を導入して発展してきました。

 そうであれば、直接アメリカへ行って、アメリカの電子工業界で一番進んだメーカーに自分たちの製品を使ってもらえば、一も二もなく日本の大手の電子工業メーカーも使ってくれるだろうと考えたのです。実際に、風呂敷包みに製品を入れて、アメリカへ売り込みにいきました。

しかし、日本人にすら相手にされない人間がアメリカへ行ったところで、当然ながら誰も相手にしてくれません。最初に行ったときには、言葉も満足に話せないのにアメリカ中を必死で回り、毎晩涙を流しながら、悔しい思いをしたことを覚えています。

 当時のお金で100万円ほどをなんとか工面したのですが、来る日も来る日も製品は1つも売れませんでした。生活習慣の違いなどいろいろな苦労があり、「このまま手ぶらで帰ったのでは従業員に申し訳ない」とがんばりましたが、やはり売れませんでした。

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稲盛和夫

 
 


1932年、鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長。84年に第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任。2001年より最高顧問。10年に日本航空会長に就任し、代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問。1984年に稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。また、若手経営者が集まる経営塾「盛和塾」の塾長として、後進の育成に心血を注ぐ。主な著書に『生き方』(サンマーク出版)、『アメーバ経営』(日本経済新聞出版社)、『ゼロからの挑戦』(PHP研究所)、『成功の要諦』(致知出版社)、『人生の王道』(日経BP社)、『ど真剣に生きる』(NHK出版)、『君の思いは必ず実現する』(財界研究所)、『働き方』(三笠書房)、『燃える闘魂』(毎日新聞社)などがある。

稲盛和夫オフィシャルサイトhttp://www.kyocera.co.jp/inamori/


稲盛和夫経営講演選集(公開版) 「経営の父」が40年前に語っていたこと

稲盛和夫が語った起業の「原点」とは――。京セラとKDDIという2つの世界的大企業を創業し、経営破たんしたJALを再建させた「経営の父」稲盛和夫氏。その経営哲学やマネジメント手法は世界中に信奉者を持つ。このたび、『稲盛和夫経営講演選集』(ダイヤモンド社)発刊を記念し、1976年に自らの起業時の経験を語った貴重な講演録を、全5回に分けて掲載します。

「稲盛和夫経営講演選集(公開版) 「経営の父」が40年前に語っていたこと」

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