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高橋洋一の俗論を撃つ!

消費税還付の議論の前に、消費再増税を撤回せよ

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第128回】 2015年9月10日
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まずは消費税還付の論点を整理する
還付はいいがナンバーカード利用はやり過ぎ

 消費税還付について、自民、公明両党は財務省案をベースに議論している。その財務省案とは、消費税率を10%に引き上げる際、食品などに軽減税率(複数税率)を適用する代わりに、事後的に還付するというものだ。ただし、還付額には上限があり、年間で4000円とされている。政府は今のところ、この財務省案をベースにした与党内の議論を見守るという。

 財務省案では、マイナンバーの個人番号カードを、還付金を受け取るために必須としている。軽減税率対象品目を購入する際、マイナンバーカードの個人認証が必要となるわけで、言ってみれば、すべての食料品購入をクレジットカード決済と同じ仕組みにするようなものだ。

 これには、様々な反応が出ている。そうした仕組みをすべての小売店に導入できるのか、還付金の上限が低い、などである。

 もちろん、そうした問題点もあるが、これではまんまと財務省の意図に乗ってしまう。財務省は、マスコミが目の前の論点整理に追われて、もっと大きな問題点を見逃すことをよく知っている。そのために、技術的な論点を提示すると、本質的な論点がぼやけるわけだ。

 財務省案は、マスコミ報道を見る限り、次の通りだ。

(1)2017年4月から10%へ消費再増税を行う。

(2)その際、「酒類を除く飲食料品」の消費増税分に相当する給付金を事後的に払う。

(3)給付金の事後支払いの際には、購入の際にマイナンバーカードを提示されたものだけを還付対象として、その上限を設ける。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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