「スポーツ」と「チャリティ」は相性が良い。有名スポーツ選手の慈善活動もよく知られている。

 例えばプロ野球では、ダルビッシュ投手が「ダルビッシュ有 水基金」を設立して、公式戦で一勝するたびに10万円を日本水フォーラムに寄付。水不足に悩む世界の人々に安全な水を提供するために役立てている。イチロー選手も二軍時代から慈善活動に熱心で、神戸の養護施設や出身地の愛知県などに多額の寄付をしているという。

 また、元サッカー選手の中田英寿氏も、「TAKE ACTION FOUNDATION」という慈善団体を設立して、活発な活動を行っていることは皆さんもご存知だろう。

 一般のアマチュア・アスリートもチャリティに熱心だ。世界の子どもたち支援を目的としたチャリティ・マラソン大会である「パラカップ」には3000人の一般ランナーが参加する。「ロンドン・マラソン」は、参加者4万人を超える世界最大級の市民マラソンだが、参加者の9割がチャリティ・ランナーだという。

 チャリティ・ランナーとは、例えば「ロンドン・マラソンに出場するから、完走できたら千円を寄付してくれ。目標は10万円。集まったお金はRoom to Readに寄付する」というようことを、友人や職場の仲間などにお願いする。そして見事完走できたら、共感した友人・知人が寄付をするという仕組みだ。つまり、ロンドン・マラソンでは、ほとんどのランナーが何かの寄付を背負って走っているというわけだ。

 このように、日本でも世界でも、スポーツを通した慈善活動が活発化している。

プロからアマまで続々
寄付サイト上でのチャレンジ宣言

 3月に設立イベントを開催した「Just Giving Japan」は、誰でも主催者になってチャリティ・プロジェクトを実施できる仕組みを提供する寄付サイトだ。何かのチャレンジを宣言し、それに共感した人が寄付をする仕組みで、たとえば、ダイエットや禁煙にチャレンジすることを宣言して実行する。そのチャレンジに共感した人が寄付をする。

 イギリスの寄付サイト「Just Giving」と提携しているが、その本家イギリス版は、これまでに1千万人以上が利用し、累計約825億円の寄付を集めている、世界で最も成功している寄付サイトだ。

 ハイチ大地震の時に、イギリスの7歳の男の子が1日で約725万円の寄付を集めて話題を呼んだが、これもJust Givingの仕組みを使ったものだ。ハイチ支援のために、自宅近くの公園を自転車で8キロ周回することを宣言。Just Givingを通じて寄付を呼びかけた。