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岸博幸の政策ウォッチ

「携帯料金引き下げ」を安倍首相に言わせる内閣府の浅知恵

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第17回】 2015年9月18日
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携帯料金の引き下げは
安倍首相の指示で決まった!?

携帯料金の引き下げ、消費者にとっては喜ばしいことではありますが…

 政策に関心のある方は、経済財政諮問会議の存在をご存じのことと思います。総理、官房長官、主要閣僚、日銀総裁、そして4人の民間有識者がメンバーの官邸の会議です。小泉政権時はこの諮問会議が経済運営の司令塔となりましたが、そこで改革を牽引したのは4人の民間有識者が提出する“民間議員ペーパー”でした。

 しかし、今やその諮問会議も、官僚主導の運営の下で経済運営の司令塔どころか政府の普通の審議会の一つに成り下がったと言われるようになって久しいくらいに、その地位が地盤沈下してしまいました。

 そうした中、先週11日に開催された諮問会議に関する報道を見て私はギョッとしました。安倍首相が「携帯料金等の家計負担の軽減は大きな課題だ」と発言したと報道されていたからですが、これは事実上、安倍首相が携帯料金の引き下げを指示したようなものです。

諮問会議と内閣府の官僚は
志が低いのではないか

 そこで気になって当日の諮問会議の資料をネット上でチェックしたところ、改めて諮問会議、具体的には民間議員と会議の運営を担当する内閣府の官僚の志の低さにガックリしてしまいました。

 その理由の第一は、諮問会議の問題意識が低過ぎるということです。4~6月の経済成長率が年率でマイナス1.6%、消費も実質賃金の伸びもマイナスであったことからも明らかなように、食料品などの価格上昇に賃金上昇が追いついていないため、消費税増税から丸1年経ったにも拘らず、GDPの6割を占める消費はまだ弱いままです。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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小泉政権時代に竹中平蔵氏の秘書官を務め、数々の構造改革を立案・実行した岸博幸氏がテレビや新聞が決して報じない知られざる政治の裏側を暴きます。

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