ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
数字で会社を読む

【NTTドコモ】「目指せKDDI」を掲げて費用削減 高コスト体質改善が支える業績回復

週刊ダイヤモンド編集部
2015年8月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

国内最大の通信キャリアにして、ついに営業利益で大手3社の最下位となったドコモ。その業績回復を左右するのは、オーバースペックだと批判されてきた高コスト体質の改革だ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義)

 今年4月28日、NTTドコモの2015年3月期決算の説明会でのこと。

 国内最大の6659万人という契約者数とスケールメリットを誇るトップ企業が、どうして大手通信3社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク)において営業利益で最下位になったのか。「マージン(利益)への執着心をどう考えているのですか」。会場からは厳しい質問が相次いだ。

 それに対して、佐藤啓孝常務(財務担当)の口からは、こんな言葉が飛び出した。

 「KDDIと比べると、ラフではありますが、2割ほど営業費用が高いことを自覚しております」

 国営企業にルーツを持つ歴史的経緯も含めて、これまでは格下と見なしてきたKDDIを、なんとドコモよりもコスト効率よく利益を上げている“お手本”としてぶち上げたのだ。

 同社関係者によれば、KDDIのコスト構造をベンチマークにして、社内で比較調査を始めたのは約1年前のこと。経営陣が社員らを集めて見通しなどを話す「社長対話会」の場でも、社名を挙げて繰り返し伝えてきているという。

 「コスト最重視のソフトバンクほどドライな効率化は難しい。ならばau(KDDI)を目指せ、という取り組みです」(同社社員)

 過去から再三にわたって設備やサービスの過剰品質を指摘されてきたドコモが、初めて競合と比較してコスト削減を徹底するのは、成熟化した通信産業で差別化がいよいよ難しくなっているからだ。

 ドコモの15年3月期は、売上高で4兆3834億円(前期比1.7%減)、営業利益で6391億円(同22%減)となった。足元で営業利益が大きく落ち込んだ第一の原因は、音声通話を定額制にした「新料金プラン」(14年6月開始)の導入にある。

 なるべく通話料を安くしたいユーザーが予想以上に駆け込み、データ通信も価格の安いプランを選ぶケースが多数あった。そのため通話とデータ通信収入が大きく下振れたことが、営業利益で最下位転落の引き金となってしまった。

競合他社より
コスト4割増の
インフラ運営

 問題は、今後の業績回復シナリオをどう作るかだ。大手3社で通信ネットワークの品質は大差がなくなり、米アップルのiPhoneも全社取りそろえる。今年3月から「ドコモ光」など光回線と携帯電話のセット割引も各社で始まり、三すくみ状態が極まっている。

 そこで確実な「V字回復」を約束してくれるのがコスト削減だ。17年度までの3年間で約4000億円分の巨費を絞り出すため、全社を挙げて取り組んでいる。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年3月4日号 定価710円(税込)

特集 文系こそ学べ 勝つための絶対スキル データ分析

統計分析 Excel入門 データに強くなる

【特集2】
コーヒービジネス大活況
サードウェーブの次に来る波

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


数字で会社を読む

週刊ダイヤモンドで好評連載中の「数字で会社を読む」。各業界・企業を担当する第一線の記者が、ポイントを絞った財務分析で企業・産業に切り込みます。

「数字で会社を読む」

⇒バックナンバー一覧