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実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

妻が社内ダブル不倫で上司も容認
離婚を選べない夫の絶望(下)

露木幸彦 [露木行政書士事務所代表]
【第13回】 2015年9月26日
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>>(上)より続く

A.妻との交際をやめてほしい
B.謝罪してほしい
C.慰謝料を払ってほしい

 まさに今、一筋縄ではいかない輩を対峙しているわけですが、AからCは「○○しなければ、××する」の形式に当てはまっているでしょうか?いや、そんなことはありません。「××」の部分が抜け落ちているでしょう。確かにAからCはごくごく真っ当な希望なのですが、「○○」の部分だけでは、いくら何でも普通すぎるので、翔太さんは上手くいかなかったのです。もちろん、希望をありのまま伝えることで、オトコがすんなり妻との関係やめてくれたり、謝罪をしてきたり、慰謝料を払ってくれれば良いのですが、世の中にはそんな誠実な人ばかりではない…それは翔太さんの失敗談を聞けば分かるでしょう。そもそもオトコが「誠実を絵に描いたような人」なら、そもそも不倫などしないはずです。

 例えば、「○○」の部分だけ請求すると、オトコは次のように反論してくることが予想されます。

 「あんたたちの夫婦関係が破綻しているのだから、僕と奥さんが付き合ったって問題ないだろう」

 「悪いことをしていないから、謝るつもりはない」

 「お金がないから、慰謝料を払わない」

 このようにオトコは自分のことを棚に上げて、軽々しく反論してきても不思議ではありません。翔太さんはただでさえ、不倫の発覚でショックを受けていたのですが、オトコはさらに追い討ちをかけ、揚句の果てには逆ギレをする始末。

 なぜ、翔太さんはこのような仕返しをされなければならなかったのでしょうか?それはオトコには誠実さや常識、倫理観がまるっきり欠如しているからです。オトコは翔太さんに対して「悪いことをしている」という罪悪感も、「人妻と付き合うのはまずい」という後ろめたさも持っていないのは明らかでしょう。ここで大事なのは前もって知っておくことです。「目の前にいるのは当たり前のことを当たり前とも思わない人間なのだ」と。正論が通じない相手に、正論を繰り返しても仕方がありません。

 「言われたとおりにしよう」

 そもそもオトコにそんな気持ちが、ひとかけらでもあるのでしょうか?できれば別れたくないし、謝りたくないし、慰謝料も払いたくない…そのような相手に対して「話せば分かる」という感じで挑んでも、玉砕するのがオチですし、実際に翔太さんはそうなっています。

何度も注意したのに
なぜ不倫は繰り返されたのか

(1)性善説→「不倫が悪いこと、やってはいけない」世の中にはそういう認識を持っている人ばかりだ。

(2)性悪説→「不倫が悪いこと、やってはいけない」世の中にはそんな認識を持っている人はいない。

 これがオトコに対して「普通」にアプローチしても、上手くいかない理由です。不倫の現場では「性悪説」の人間ばかりなのです。だから、翔太さんは発想を切り替えなければならなかったのです。不倫の現場は日常生活とは一線を画する異常な世界なのだから「○○しなければ、××する」作戦を使うことを躊躇する必要はありません。確かに「立つ鳥後を濁さず」という感じで、綺麗に後始末できれば良いですが、翔太さんの場合、もう、そんなことを言っていられる段階ではなかったのです。

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露木幸彦[露木行政書士事務所代表]

つゆき・ゆきひこ/行政書士、フィナンシャルプランナー。1980年生まれ。国学院大学卒。男性の離婚相談に特化した行政書士事務所を開業し、開業から6年間で有料相談件数7000件、法律文書作成900件を達成。公式サイトは1日訪問者3300人、会員数は1万3000人と、業界では最大規模にまで成長させる。2008年よりドコモ、au、ソフトバンクの公式サイトで法律監修を担当。四半期に一度、大相談会を開催している。主な著書に『結婚貧乏~結婚してはいけない人を避ける方法』(中央公論新社)、『離婚のことばハンドブック~今すぐ解決したい人のキーワード152』(小学館)、『男のための最強離婚術』『男の離婚 賢く有利に別れるための6つの成功法則』(共にメタモル出版)などがある


実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

昨今の離婚事情は複雑化している。夫が借金、浮気、暴力を繰り返して妻に愛想を尽かされるという「昭和型離婚」ばかりでなく、足もとでは「草食系離婚」も急増している。妻が多重債務、不倫、ヒステリーなどを繰り返し、真面目で優しい夫がそれに絶えられなくなって離婚を決意するというパターンだ。そうしたなか、離婚トラブルで悩み悶える男性が増えている。一度離婚トラブルに発展すると、男性は多くの精神的・物理的な負担を強いられる。到底納得できない理不尽な離婚トラブルに意図せず巻き込まれた場合に備えて、普段から対処法を考えておくことは必要だ。「男性の離婚相談」に特化し、数多くの相談実績を誇る行政書士の露木幸彦氏が、毎回実例を挙げながら、男性が陥り易い離婚トラブルへの対処法を指南する。読まずに泣くか、読んで笑うか――。現在離婚トラブルで悩んでいる人もそうでない人も、「他人事ではない男の離婚」について考えるための参考にしてほしい。

「実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦」

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