“お金に強くなる”ために
重要なのは「運用」だけではない

 8月8日、15日の合併号となった『週刊ダイヤモンド』は、「親・子・孫3世代のお金の話」と題する、夏休みに向けた、お金の話の大特集を組んだ。

「相続・贈与」「教育」「不動産」「家計」「保険」「年金」「投資」「お金のコミュニケーション」「旅行」など多くのテーマを取り扱い100ページを超える力の入った特集だ。孫(現役の読者世代の「子」)に読ませることも意識したものか、漫画を豊富に取り入れた誌面構成で、いつもの「週刊ダイヤモンド」とは雰囲気が違っていて面白い。

 筆者は、生活設計塾クルーの深田晶恵取締役と「家計と投資の実情は? 大金手にした初心者の落とし穴」と題する対談(p106~108)に登場させてもらった。

 ある有名な大手上場企業(高給である)の50代の社員のうち、自分の家計が1ヵ月でいくら使っているのか把握しているのは100人のうち7~8人に過ぎないといった話(深田さん)をはじめとして、「40代で年収1000万円超の人たちというのは、ある種のゆでガエル状態にある」(山崎)と、主に40代、50代の方々に注意を呼び掛ける内容の対談だ。

 対談者としては是非、本を手に取って全文を読んでほしいのだが、「退職金が振り込まれた銀行では、絶対にお金の運用をするまい!」と心から納得していただけたら、この対談は成功だ。

 さて、決して週刊ダイヤモンドのマネー大特集と同時期を狙った訳ではないのだが、同じ目的を目指した拙著「お金に強くなる!」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、7月30日発売)が先週後半に発売された。書店の外にセブン-イレブン(今や巨大書店チェーンである)でも販売されることと、筆者としては初めての図解本であることもあり、いつもの本にも増して分かりやすい(いつもの本が分かりにくい、とは決して思っていないのだが)ものとすることを目指してみた。

 この図解本は、全て見開き2ページ単位で48のトピックを扱っている(1トピックを2分眺めると、96分でお金に強くなる!という予定だ)。率直に言って、筆者はお金の運用が専門なので、トピックは運用に関わるものが多い。しかし、もちろんお金について大切なのは運用ばかりではない(誤解しやすく、騙されやすいのは、運用が圧倒的だが)。今回は、筆者なりに、運用以外のトピックにも力を入れてみた。運用以外のトピックは、目次を見て数えてみると、17個ある。全48トピックの3分の1強だ。

 今回は、あえて、「運用以外で」お金について重要だと筆者が思うテーマを、新刊拙著からかいつまんでご紹介したい。週刊ダイヤモンドの3世代向けマネー特集と合わせて読んでいただけると嬉しい。